需給動向 国内

◆鶏 肉◆

原種鶏・種鶏の安定供給に向けて前進


平成28年7月の鶏肉需給を見ると、生産量は12万2712トン(前年同月比0.9%増)と前年同月をわずかに上回り、輸入量は4万9262トン(同8.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った。推定出回り量は17万2051トン(同3.2%増)と前年同月をやや上回り、推定期末在庫は前月から77トン取り崩したものの、16万7803トン(同35.4%増)と依然として高い水準となった(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

日英間でコンパートメント主義を適用

農林水産省は、平成28年8月31日付で「英国から日本向けに輸出される家きん初生ひなの家畜衛生条件(英国(グレート・ブリテンに限る)におけるNAI(注1)発生時のコンパートメント主義適用条件を含む)について」を締結し、適用を開始した。

ブロイラーの生産構造は、エリートストック(ES)→原原種鶏(GGP)→原種鶏(GP)→種鶏(PS)→ブロイラーという流れになっており、わが国の食鳥産業は、原種鶏の初生ひなを100%に近い割合で輸入して国内で種鶏を育成し、種鶏の不足分を一部輸入することで成り立っている。

わが国における肉用原種鶏初生ひな輸入の大半は育成率(注2)の高い英国種が占めている状況の中で、これまでは、英国で鳥インフルエンザが発生した場合、米国種などに切り替えて対応せざるを得なかった(図5)。近年、英国ではたびたび鳥インフルエンザが発生しており、わが国が輸入停止措置を取った26年11月〜27年3月および27年8月〜11月の間は主に米国からの輸入であった。その結果、現在生産されているブロイラーは、育成率に不安のある米国種の原種鶏由来のものが多くなっており、鶏肉生産への影響を懸念する声もあった。しかし、今回適用されたコンパートメント主義は、発生地域(注3)であっても、認定基準に適合した企業・施設からの輸入を条件付きで認めることとなったため、わが国における原種鶏・種鶏のより安定的な確保に寄与するものとして期待される。

注1:NAI(通報対象鳥インフルエンザ)とは、高病原性鳥インフルエンザおよび低病原性鳥インフルエンザをいう。

注2:育成率とは、ひなえ付け羽数に占める出荷時の生存割合をいう。

注3:発生地域とは、高病原性鳥インフルエンザの場合は英国全土、低病原性鳥インフルエンザの場合は発生州のことをいう。



(畜産需給部 河村 侑紀)


				

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