需給動向 海外

◆米 国◆

2016年の鶏肉生産量は前年比2.3%増加の見込み


7月の鶏肉生産量はかなり減少

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が8月25日に公表した「Poultry Slaughter」によると、2016年7月の処理羽数は、前年同月比7.2%減の7億784万羽となった。この減少要因としては、需給の緩和による販売価格の下落により、生産意欲が減退したことが考えられる。また、1羽当たりの平均処理時生体重は、同2.4%増の2.8キログラムとなった。鶏肉生産量は、同6.5%減の147万1000トンとかなりの程度前年を下回った(図17)。

2016年の鶏肉生産量についてUSDAは、ブロイラーの販売価格が安く、生産者の収益性は高くないとして、前月の予測値を下方修正し、前年比2.3%増の1859万5000トンと見込んでいる。



鶏肉在庫は増加傾向

USDA/NASSが8月22日に公表した「Cold Storage」によると、2016年7月末時点の冷凍鶏肉在庫量は、前年同月比6.9%増の37万2000トンとなった(図18)。在庫量は、2016年2月末を除き、2014年12月以降前年同月を上回って推移している。この要因としてUSDAは、生産量の増加とともに、輸出量の減少を挙げている。主要部位別に見ると、むね肉は同20.5%増の7万6000トン、手羽は58.0%増の4万2000トンと大幅に前年同月を上回ったものの、レッグクオータ―(注)は、同3.3%減の6万4000トンと3カ月ぶりに前年同月を下回った。

(注) ブロイラーを4分の1にカットしたもの。ドラムスティックと上ももに背肉の半分が付着したもの。



鶏肉輸出量は4カ月連続で前年同月比減

米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が公表している「Livestock & MeatInternational Trade Data」によると、2016年6月の鶏肉輸出量は、前年同月比11.0%減の22万8000トンと、米ドル高で推移する為替相場などにより、2016年で最も少なかった。主要国・地域別に見ると、メキシコ(前年同月比5.0%減)、台湾(同25.4%減)、カナダ(同15.4%減)、キューバ(同1.2%減)と多くの国で前年を下回った(図19)。一方、香港向けは同8.9%増の1万3000トンとなった。



生体価格、卸売価格ともにわずかに前年比上昇

USDA/NASSが8月31日に公表した「Agricultural Prices」によると、2016年7月のブロイラーの生体価格は、処理羽数が減少したことにより、前年同月比2.0%高の1ポンド当たり52米セント(1キログラム当たり119円:1米ドル=104円)となり、18カ月ぶりに前年同月をわずかに上回った(図20)。



また、同月の鶏肉卸売価格は、供給量の減少を背景に、前年同月比0.6%高の同91.6米セント(同210円)と、2015年2月以降初めて前年を上回った(図21)。2016年第3四半期(7〜9月)の鶏肉卸売価格についてUSDAは、同84〜86米セント(同192〜197円)と、前年同期の同83.7米セントを上回ると見込んでいる。



(調査情報部 渡邊 陽介) 


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