需給動向 国内

◆鶏 卵◆

8月の鶏卵卸売価格は、不需要期を迎え軟調に推移


平成28年8月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1カ月を通して安定的に推移し、平均では1キログラム当たり180円(前年同月比39円安)となった。全国的な高温の影響から、8月の同価格としては直近10年間のうち最も高くなった前年を大きく下回り、5カ年平均の同182円と比較しても、わずかに下回る水準となっている。(図9)。

同価格は、梅雨入り以降、夏場にかけて、供給面では、気温の上昇に伴う卵重低下などによる小玉傾向がみられる一方、需要面では暑さによる家庭での調理機会減少に伴いテーブルエッグ需要が減少したほか、学校給食の中断などから加工・業務筋の需要も鈍化し、例年どおりの低下基調で推移している。

今後については、供給面では、採卵用ひなえ付け羽数が増加しているものの、厳しい残暑が予想されるため、引き続き産卵率や卵重の低下などが懸念されている。一方、需要面では、学校給食の再開や大手ファストフードの鶏卵を使用した商品展開などに伴い、末端消費の回復も予想されており、鶏卵相場は例年どおり冬場に向けて上昇するものとみられる。



2カ月連続で鶏卵生産者経営安定事業が発動

(一社)日本養鶏協会は平成28年9月1日、鶏卵生産者経営安定事業による8月の補填価格を1キログラム当たり7.092円と発表した。標準取引価格(注)が補填基準価格(同189円)を下回ったことから、7月に続き2カ月連続の発動となった。なお、2カ月連続で発動するのは、平成25年3〜8月にかけて6カ月連続で発動して以来、約3年ぶりとなる。

注:JA全農たまご株式会社の東日本営業本部および西日本営業本部において販売された、鶏卵規格取引要綱に定める箱詰鶏卵規格およびパック詰鶏卵規格に定める全種類の鶏卵の加重平均価格

(畜産需給部 小林 智也)


				

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