需給動向 海外

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輸出量の増加などにより豚価が上昇中


生産量は前年並みで推移

欧州委員会によると、2016年6月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比0.2%減の189万トンと、昨年から続いていた増産傾向はここにきて落ち着きつつある(図14)。主要国で同様の動きが見られ、EU最大の豚肉生産国であるドイツが同1.5%減、2番目のスペインが同2.5%減、3番目のフランスが同3.6%減となった。

2016年1〜6月までのEU全体の累計で見ると、前年同期比1.6%増と、ほぼ前年並みで推移している。



輸出量は2016年に入り増加が続く

2016年6月の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同月比70.3%増の23万7000トンと大幅に増加した(図15)。輸出量は、EUの2大輸出国であるスペインが前年同月比101.7%増の5万3000トン、ドイツが同69.0%増の5万1000トンとなっており、両国を中心に14カ月連続で前年同月を上回って好調に推移している。

特に、2016年に入ってからの伸びは大きく、同年1〜6月の累計では、前年同期比58.6%増の121万4000トンとなり、2015年通年の約7割に達した。輸出先は、中国をはじめとしたアジア市場が中心となっている。



豚価は160ユーロ台まで上昇

増産傾向にあった豚肉生産が前年並みに落ち着く中、輸出量の増加は需給引き締めの大きな要因となっている。欧州委員会によると、2016年7月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前年同月比12.0%安の100キログラム当たり161.56ユーロ(1万8741円:1ユーロ=116円)となった(図16)。同価格は、前月、33カ月ぶりに前年を上回ったが、さらに値を上げておよそ2年ぶりに160ユーロ台まで上昇した。

EUの豚価は、ロシアによる禁輸措置などを背景に長期にわたり前年を下回って推移していたが、業界関係者の間では、輸出需要の増加により来年8月くらいまでは堅調に推移するとみられている。



(調査情報部 大内田 一弘)


				

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