需給動向 国内

◆鶏 肉◆

輸入品在庫、14万トン超えの高水準


平成28年6月の鶏肉需給を見ると、生産量は12万9198トン(前年同月比0.1%増)と前年同月をわずかに上回り、輸入量は4万5137トン(同4.4%減)と前年同月をやや下回った。推定出回り量は16万9327トン(同0.1%減)と前年同月をわずかに下回り、推定期末在庫は前月から5008トン積み増し、16万7880トン(同35.7%増)と前年同月を大幅に上回った(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

推定期末在庫、輸入品・国産品ともに大幅増加

推定期末在庫のうち、輸入品は14万1448トン(前年同月比37.6%増)と22カ月連続で前年同月を上回り、国産品は2万6432トン(同26.5%増)と10カ月連続で前年同月を上回った(図5)。例年であれば、不需要期の夏場は、年末の最需要期に向けて在庫を積み増し始める時期だが、今年の輸入品在庫は6月末で既に、ブラジル産の輸入急増で積み増した平成20年12月以来となる14万トン超えの高水準となっている。現在はブラジル産の現地相場高で買い付けが難しくなっているものの、夏場に在庫を取り崩すのは容易ではなく、在庫の消化には時間を要するとみられ、今後の需給動向が注視される。



平成27年度の鶏肉自給率、前年度から1ポイント低下して66%に

平成27年度の鶏肉自給率(骨付肉重量ベース)は、国内生産量が151万7000トン、(前年度比1.5%増)輸入量が80万9000トン(同6.6%増)、国内消費仕向量が229万8000トン(同3.2%増)となった結果、前年度から1ポイント低下して66%となった(図6)。また、鶏肉の国民1人・1年当たりの供給純食料(正肉ベース)は、牛肉、豚肉を上回る12.6キログラム(同3.2%増)となった。



鶏肉の自給率は、近年、輸入量の変動を受けて増減を繰り返しながらも、7割弱と牛肉や豚肉と比べて高い水準で推移している。27年度は、外食産業を中心に国産回帰の動きがあったものの、国産鶏肉の相場高や輸入価格(CIF価格)の低下などにより、輸入量が増加したことで自給率は前年度を下回ったものと思われる。

なお、飼料自給率を考慮した鶏肉自給率は、近年、一桁台で推移しており、27年度は濃厚飼料自給率が前年と同じ14%であったことから、前年度と同率の9%となった。

(畜産需給部 河村 侑紀)


				

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