需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

6月の生乳生産量は13カ月連続で前年同月を上回る


平成28年6月の生乳生産量は、62万6316トン(前年同月比0.3%増)と13カ月連続で前年同月を上回った(図7)。仕向け先別に見ると、牛乳等向けは、35万374トン(同0.4%増)と8カ月連続で前年同月を上回り、乳製品向けも、27万1712トン(同0.3%増)と3カ月連続で前年同月を上回って推移している(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。 



北海道が全体の生産量の伸びをけん引

6月の生乳生産量を地域別に見ると、都府県は28万9477トン(前年同月比2.0%減)と4カ月連続で減少となったものの、北海道は33万6839トン(同2.3%増)と増加し、全体の伸びをけん引した。

バター生産量は好調に推移

6月の乳製品生産量を見ると、脱脂粉乳は9608トン(前年同月比0.3%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った。また、バターは5393トン(同8.3%増)と14カ月連続で前年同月を上回った。脱脂粉乳の伸びは、加工原料乳(バター・脱脂粉乳等向け)が前年同月を上回って推移する中、脱脂濃縮乳への仕向けが増加していることから、生産量の伸びはバターに比べてわずかなものとなっている。

バターの大口需要者価格は、前年同月比でわずかに下落

6月の乳製品の大口需要者価格を見ると、脱脂粉乳は25キログラム当たり1万7537円で前年同月並み、バターは1キログラム当たり1356円(前年同月比1.3%安)となった(図8、9)。脱脂粉乳は、堅調なはっ酵乳の需要や夏場に向けたアイスクリーム需要などを背景に一定の引き合いがあることから、横ばいで推移している一方、バターは、国産バターの増産による民間在庫量の増加に加え、追加輸入による外国産バターの市中出回り量の増加などから、価格は前年同月と比べわずかに低下したものとみられる。





平成27年度の牛乳・乳製品の自給率、前年度から1ポイント低下

平成27年度の牛乳・乳製品の自給率(生乳換算ベース)は、国内生産量が740万8000トン(前年比1.1%増)、輸入量が463万4000トン(同4.7%増)、国内消費仕向量が1189万2000トン(同1.7%増)となった結果、前年度から1ポイント低下して62%と過去最低を更新した(図10)。これは、前年度と比べ輸入量が増加したことが主な要因として挙げられる。また、牛乳・乳製品の国民1人・1年当たりの供給純食料は、生乳換算で前年度より1.5キログラム増加し、91.1キログラム(同1.7%増)となった。

なお、飼料自給率を考慮した牛乳・乳製品自給率は、純国産粗飼料自給率が前年度から1ポイント増加したことを受け、27%と前年度並みとなった。



Jミルク、平成28年度の生乳生産見通しを公表

一般社団法人Jミルクが平成28年7月22日に公表した「平成28年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと当面の課題」によると、平成28年度の生乳生産見通しは、前年度比0.9%減の734万1000トン(北海道393万9000トン(前年度比1.1%増)、都府県340万3000トン(同3.1%減))と見込んでいる(図11)。

北海道については、生産の主力となる2〜4歳の乳牛頭数が前年を上回るとみられていることから、生産量は引き続き増加と見込んでいる一方、都府県では、減産見込みとしている。

今後、仮に輸入飼料価格の下落や夏場の気温が平年並みとなった場合などは、この見通しが上方修正される可能性もある。



(畜産需給部 山神 尭基)


				

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