需給動向 海外

◆米 国◆

2016年の牛肉輸出量、3年ぶりに前年を上回る


1月の生産量は前年同月比8.4%増

米国農務省全国統計局(USDA/NASS)が2017年2月23日に公表した「Livestock Slaughter」によると、2017年1月のと畜頭数は、前年同月比9.2%増の257万5800頭となった。一方、同月の1頭当たり枝肉重量(連邦政府検査ベース)は、375キログラムとなり、前年同月を0.7%下回った。この結果、同月の生産量は96万800トン(前年同月比8.4%増)と、2016年8月以降6カ月連続で前年同月を上回った(図1)。

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また、2016年の牛肉生産量は114万3580トンとなり、前年を6.4%上回った。USDAは2017年についても牛肉生産は堅調に推移し、同3.1%増の1179万3400トンに達すると見込んでいる。

価格は、前年同月をかなり下回って推移

米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2017年2月の肥育牛価格は、出荷頭数が堅調に推移していることから、前年同月比10.9%安の100ポンド当たり119.3米ドル(1キログラム当たり300円:1米ドル=114円)と、2015年7月以降20カ月連続で前年同月を下回った。また、同月の牛肉卸売価格(注)も同11.9%安の同191.5米ドル(同481円)と、低調に推移している(図2)。

(注) チョイス級、600〜900ポンドのカットアウトバリュー。カットアウトバリューとは、各部分肉の卸売価格を1等分の枝肉に再構成した卸売指標価格。

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こうした肥育牛の供給頭数増に伴う肥育牛価格安は2017年下半期まで継続すると見込まれている。

韓国が牛肉輸出先第2位に

USDA/ERSによると、2016年12月の牛肉輸出量は前年同月を29.7%上回る11万5391トンとなった。また、通年では前年比12.6%増の115万6574トンとなり、3年ぶりに前年を上回った(表1)。米国産牛肉の供給量が増加した一方、主要輸出国である豪州の輸出量が減少していることなどが要因とみられる。

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輸出先国別にみると、最大輸出先国である日本向けは29万7337トン(前年比21.7%増)と、前年を大幅に上回った。韓国向けは20万6239トン(同42.6%増)と前年比の増加幅が最も大きく、輸出量のシェアでみた順位は日本向けに次ぐ第2位となった。他にも、台湾向けが6万2096トン(同26.0%増)、ベトナム向けが8437トン(同52.5%増)など、アジア向けが好調であった。

(調査情報部 野田 圭介)


				

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