需給動向 国内

◆鶏 肉◆

輸入量の大幅減で在庫調整進む


平成29年1月の鶏肉需給を見ると、生産量は12万6628トン(前年同月比2.9%増)と前年同月をわずかに上回った。輸入量は、ブラジル産が現地の生産コスト上昇を受けた減産傾向などにより、2万1106トン(同46.6%減)と前年同月を大幅に下回り、全体では3万1739トン(同34.5%減)となった。推定出回り量は前年同月をやや上回る16万7219トン(同3.5%増)となり、推定期末在庫は前月から8852トンを取り崩し、13万7206トン(同6.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

期末在庫、28カ月ぶりに前年同月を下回る

平成29年1月の推定期末在庫は、28カ月ぶりに前年同月を下回り、今年度のピークであった28年8月から約3万トン下回る在庫水準となった。

推定期末在庫の内訳を見ると、輸入品は、7割以上を占めるブラジル産の輸入量の減少から7433トン取り崩し、11万4386トン(同7.7%減)と5カ月連続の減少となった。また、国産品は好調な需要を受け、1419トン取り崩して2万2820トン(同2.5%減)となった。高水準に積み上がった在庫は9月以降、減少傾向が続いているが、12月、1月の減少幅は大きく、急速に在庫の調整が進んでいると思われる(図5)。

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2月の鶏肉相場、堅調に推移

2月の国産鶏肉卸売価格を見ると、もも肉は、例年、需要期を過ぎて軟調となる傾向にあるが、今年は好調な需要などを受け、1キログラム当たり703円(同7.8%高)と前年同月をかなりの程度上回った。輸入品と競合するむね肉は、1月まで前年を大きく下回って推移していたものの、同291円(同7.1%高)と15カ月ぶりに前年同月を上回った。これは、12月、1月の輸入量の急減や好調な需要によるものであり、輸入量の増加で下落基調となった前年同月とは正反対の相場展開となった(図6)。

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(畜産需給部 河村 侑紀)


				

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