需給動向 国内 |
平成29年2月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1月中旬以降の上昇基調が継続し、前月比25円高の1キログラム当たり204円(前年同月比5円安)となった(図10)。
1月は、例年通り年末年始の在庫が一斉に流通したことから一時的に下落した。2月は、年明けの相場安に向けた生産調整が終了し、生産量は回復傾向となったが、恵方巻きなどのイベント需要、気温の低下に伴う鍋物需要、量販店における特売需要などが継続したことから、段階的に上昇していった。
今後については、供給面では、生産調整後の産卵の本格化などにより、引き続き生産量は回復していくと考えられる。一方、需要面では、徐々に寒さが和らぎ、おでんやすき焼きなどの季節需要が減少していくと考えられる。
全国マヨネーズ・ドレッシング類協会によると、平成28年のマヨネーズ・ドレッシング類の生産量は41万3877トン(前年比0.9%増)と過去最高を更新した(図11)。
このうち、鶏卵を原材料とするマヨネーズ(注)が約54%を占めており、22万2153トン(同3.4%増)と6年連続で増加している。マヨネーズは、日本で最初に発売されてから90年以上経っているが、近年、用途は広がり、野菜サラダだけでなく、お好み焼き、おにぎりの具材、握り寿司、スナック菓子、チャーハン、ホットケーキ、ピザなど、さまざまな料理に使用されるようになっている。今後もマヨネーズ・ドレッシング類市場が拡大していけば、鶏卵生産量のうち約50%が仕向けられている業務・加工用需要も高まっていくと思われる。
(注) マヨネーズとは、半固体ドレッシングのうち、卵黄または全卵を使用し、かつ、必須原材料、卵黄、卵白、たんぱく加水分解物、食塩、砂糖類、蜂蜜、香辛料、調味料(アミノ酸など)、酸味料および香辛料抽出物以外の原材料および添加物を使用していないものであって、原材料および添加物に占める食用植物油脂の重量の割合が65%以上のものをいう。
(畜産需給部 河村 侑紀)