需給動向 海外

◆米 国◆

処理羽数の増加により生産量は増加


第2四半期も増産見込み

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年6月26日に公表した「Poultry Slaughter」によると、5月のブロイラーの処理羽数は、前年同月比5.0%増の7億8238万3000羽となった。また、1羽当たり平均処理時生体重は、前年同月並みの2.80キログラム(同0.2%増)となった。この結果、鶏肉生産量は、同5.2%増の165万4000トンとなった(図11)。

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2017年第2四半期(4〜6月)の生産量についてUSDAは、1羽当たり平均処理時生体重が横ばいとなるとの見込みから前月の予測値を1万1000トン下方修正し、前年同期比1.2%増の470万6000トンと見込んでいる。

ひな需要増により雌種鶏羽数が増加

米国農務省経済調査局(USDA/ERS)が2017年6月28日に公表した「Production Indicators and Estimated Returns」によると、5月1日時点の雌種鶏の飼養羽数は、前年同月比1.5%増の5591万7000羽と同月としては2012年以降で最高となった(図12)。この要因についてUSDAは、肉用鶏農家の収益性が良好なことに加え、1羽当たり平均処理時生体重が伸び悩んでいることから肉用鶏羽数の増加が図られていることを挙げている。また、同日時点のふ卵器への入卵個数は、同2.6%増の6億6715万1000個となり、5月のふ化羽数は、同1.6%増の8億2083万8000羽となった。

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なお、USDAによると、ブロイラーの販売価格から飼料コストを差し引いた指標(1998年~2000年の平均を100とする)は、6月は同36.1ポイント高の165.8となり、肉用鶏農家の収益性が良好であったことが分かる。

むね肉卸売価格は前年を大幅に上回る

USDA/NASSが2017年6月29日に公表した「Agricultural Prices」によると、5月のブロイラーの生産者販売価格は、前年同月比17.9%高の1ポンド当たり66セント(1キログラム当たり164円:1米ドル=113円)となった。

また、USDA/ERSによると、6月の鶏肉(丸どり(中抜き))卸売価格(速報値)は、国内外からの堅調な需要により同13.0%高の同109.50セント(同273円)と5カ月連続で前年同月を上回った(図13)。部位別に見ると、むね肉は、同42.3%高の同163.75セント(同408円)と大幅に上昇した。この要因についてUSDAは、大きな生体の供給減により部分肉が小さくなっていることを挙げている。また、主に輸出に向けられるレッグクォータも同18.1%高の同40.50セント(101円)と前年同月を大幅に上回った。

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2017年下半期の鶏肉卸売価格についてUSDAは、季節的な下落はあるものの、前年を上回って推移すると見込んでいる。

(調査情報部 渡邊 陽介)


				

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