需給動向 海外

◆ブラジル◆

2016年の豚肉輸出、過去最高を記録


輸出量、2016年は3割増しも、2017年1〜5月は低調

ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によると、2016年の冷蔵・冷凍豚肉輸出量は、前年比33.0%増の62万8655トンと過去最高を記録した(表7)。

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国別に見ると、最大輸出先となったロシア向けは、同国の輸入量が増産に伴い減少したものの、為替相場が米ドルに対してレアル安で推移し、価格競争力が高まったことで、ブラジル産が、同国における豚肉輸入量シェアを9割超まで拡大した結果、大幅な減少にはつながらなかった。一方で、第2位の香港向けと第3位の中国向けは大幅に増加した。特に、中国向けは、同国内の豚肉生産が落ち込んでいる中で急拡大し、同国における豚肉輸入先国のランキングでブラジルが第8位となるなど、存在感を高めている。

一方、2017年1〜5月では、前年同期比3.3%減の23万9732トンとなった。3月までは前年同期を10%近く上回る勢いで推移したものの、4月以降、在庫量が十分となった中国からの引き合いが弱まったことや、国内の主要港周辺で強い雨を記録し、積み込み作業が困難になったことで、輸出量が減少した。ただし、輸出額は、為替相場が前年と比較して2割程度レアル高となったことを受けて、輸出単価が上昇し、前年同期を大幅に上回った(表7、図9)。

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現地報道によると、6月の最終週以降、再び中国への輸出量は増えるとされている。また、現在韓国への豚肉輸出解禁の交渉が行われ、年内には解禁されるとみられていることもあり、今後の動向を注視する必要がある。

2017年の生産量は増加見込み

米国農務省海外農業調査局(USDA/FAS)は2月24日、2017年におけるブラジルの豚肉生産量を前年比3.4%増の382万5000トン(枝肉重量ベース)と予測した(図10)。この要因として、豚肉は、鶏肉と並んで安価なため国内需要が堅調なことに加え、アジアからの需要も非常に強いことが挙げられている。加えて、2016/17年度(10月〜9月)のトウモロコシと大豆の生産量が過去最高を記録していることから、肉豚生産コストの約77%を占める飼料費の低減が期待できることも、増産を後押しするとみられている。

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食肉不正問題の影響は終息との見方

同国では3月17日、一部の食肉加工場が衛生基準を満たさない食肉や食肉加工品を国内外へ販売していた問題が発覚し、3月最終週の輸出量は前週比約10%減となり、大きな影響が見られた。しかし、5月第1週には、前月同期比で約8%増となるなど、落ち着きを見せており、現地では、すでに同問題による豚肉輸出への影響は終息したと考える見方が強い。

(調査情報部 佐藤 宏樹)


				

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