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豚価、3年ぶりに170ユーロ台へ
欧州委員会によると、2017年3月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比2.2%増の207万トンとなった(図7)。
同月のと畜頭数は、同0.2%増であったものの、1頭当たり平均枝肉重量が同2.0%(1.8キログラム)増加したことが増産に寄与している。特に、フランスでは、1頭当たり平均枝肉重量が同10.1%(8.6キログラム)増となったため、豚枝肉生産量は同11.3%増と加盟国中、最大の増加となった。
このほかの国では、EU最大の生産国であるドイツ(同3.7%増)、スペイン(同5.0%増)、ポーランド(同5.0%増)などが増産となった一方、イタリア(同1.5%減)、デンマーク(同4.5%減)、オランダ(同3.1%減)などが減産となった(表5)。
2017年1〜4月の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同期比3.5%減の72万5000トンとなった(表6)。
輸出先国別に見ると、北米や南米の輸出国との競争がある中、韓国向け(同25.5%増)、香港向け(同14.4%増)、台湾向け(同37.5%増)などが増加したものの、最大の輸出先である中国向けが減少(同20.8%減)したことから、好調だった前年と比べわずかに減少した。
欧州委員会によると、2017年5月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前月から100キログラム当たり5.2ユーロ(671円:1ユーロ=129円)上昇し、前年同月比27.2%高の同174.0ユーロ(2万2446円)となった(図8)。
同価格は、安定した輸出需要などから堅調に推移しており、2014年6月以来3年ぶりとなる170ユーロ台まで上昇した。
(調査情報部 大内田 一弘)