需給動向 国内

◆豚 肉◆

1戸当たり飼養頭数、2000頭を超える



平成29年5月の豚肉需給を見ると、生産量は7万4620トン(前年同月比3.0%増)と前年同月を4カ月ぶりに上回った。輸入量は7万6269トン(同12.5%増)と前年同月を7カ月連続で上回った。輸入量のうちテーブルミートとして消費されることの多い冷蔵品は、2万8116トン(同8.4%増)と前年同月を7カ月連続で上回り、主に加工業務用として使用される冷凍品も4万8146トン(同15.0%増)と前年同月を上回った。推定出回り量は前年同月をやや上回る14万2678トン(同5.4%増)となり、推定期末在庫は前月から8182トン積み増し、18万2202トン(同2.2%増)と、前年同月をわずかに上回っている(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

飼養戸数は前年からやや減少

平成29年7月4日に農林水産省が公表した「畜産統計」によると、同年2月1日現在の豚飼養戸数は、前年から160戸減少して4670戸(前年比3.3%減)となり、依然として深刻な後継者不足などによる廃業が続いたためとみられる(図2)。

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飼養頭数は934万6000頭(同0.4%増)と、前年からわずかに増加したものの、そのうち子取り用雌豚は、5400頭減少して83万9300頭(同0.6%減)となった。子取り用雌豚飼養戸数を飼養頭数規模別に見ると、全国の約7割を占める200頭未満の全ての階層では減少したが、200頭以上の階層では、わずかに増加している(表3)。規模別の飼養頭数においては、30頭未満および200頭以上の階層を除き、減少となった。200頭以上の階層の割合が前年から2.4ポイント増加するなど大規模生産者の割合がわずかではあるが伸びていることが分かる。

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1戸当たり豚飼養頭数は、前年から73.1頭増加して統計開始以来初めて2000頭を超える2001.3頭となった。また、1戸当たり子取り用雌豚の飼養頭数は同6.5頭増加して220.9頭となった。子取り用雌豚飼養頭数が200頭未満の中小規模生産者を中心に廃業が進み、飼養戸数が減少傾向で推移する中、飼養頭数および子取り用雌豚の1戸当たり飼養頭数が増加するなど規模拡大の傾向が引き続き見られた。

飼養戸数は全ての地域で減少、飼養頭数は北海道、北陸、中国および九州で増加

全国農業地域別にみると、飼養戸数は全ての地域において前年から減少した。そのうち北海道、東北および近畿においては、5%を超える減少幅となった。一方、飼養頭数は、北海道、北陸、中国および九州において、前年から増加したものの、その他の地域ではいずれも減少した(表4)。

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飼養頭数を都道府県別に見ると、前年の上位5県である鹿児島県、宮崎県、千葉県、群馬県および北海道については、群馬県と北海道の順位が入れ替わった以外に変化はなかった。また、前年から1.3%減少した千葉県を除き、他の4道県はいずれも増加した。

なお、全国に占める各農業地域の飼養頭数割合は、関東・東山および九州で全国の約6割を占めており、この傾向に変化はない。

日EU・EPAの大枠合意に至る

平成29年7月6日、日EU・EPA交渉が大枠合意に至った。豚肉については、差額関税制度は維持され、分岐点価格は部分肉ベースで1キログラム当たり524円と現行と変わらないものの、従量税については、現行の1キログラム当たり482円から、発効当初には同125円に、10年目以降には同50円に引き下げられる。また、従価税については、現行の4.3%から、発効当初には2.2%に、10年目以降に撤廃される。なお、セーフガードについては、発動数量を超過した場合には、従量税を1キログラム当たり100〜70円に、従価税を4.0〜2.2%に、それぞれ戻す措置が11年目まで取られることになる。

(畜産需給部 小林 智也)


				

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