需給動向 海外

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2016年11月は輸出量・生産量とも増加


鶏肉輸出量は堅調に推移

2016年11月の鶏肉輸出量(調製品等を含む。)は、日本からの需要が引き続き堅調なことなどから、7万1871トン(前年同月比24.7%増)となり、1〜11月の累計輸出量は69万7188トン(前年同期比10.3%増)となった(図14)。

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11月の輸出量を品目別に見ると、冷凍鶏肉(カット品)および鶏肉調製品は、円に対しバーツ安となっており、日本向けが好調に推移していることから、それぞれ2万944トン(前年同月比54.0%増)、4万3609トン(同15.8%増)となった。冷凍加塩鶏肉(EU向け)は、7306トン(同18.0%増)で、6月にドイツ、オランダ向けが大幅に減少したが、その後は順調に推移し、1〜11月の累計で7万4382トンとなっている(前年同期比6.4%増)(図15)。

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2016年11月9日に韓国向け冷凍鶏肉輸出が12年ぶりに再開した。韓国は、2004年1月にタイで高病原性鳥インフルエンザが発生して以降、同国からの輸入を停止し、ブラジル、米国などから輸入していた(図16)。タイ農業・協同組合相は、米国やブラジルといった競合国よりも地理的に距離が近いことや加工技術の面で優位なことから、2017年の韓国向けの冷凍鶏肉の輸出量は2万トン、その1、2年後には輸入停止前の4万トンの水準に達すると見通している。

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また、大手銀行であるカシコン銀行傘下のカシコンリサーチセンターは、日本向け輸出が好調なことなどから、2016年の鶏肉の輸出額を25億2500米ドル(2954億円、1米ドル=117円、前年比4.8%増)と予測している。2017年については、当初、26億5000米ドル(3101億円)としていたが、世界的に発生している高病原性鳥インフルエンザにより同国産鶏肉に対する需要の増大が見込まれるため、27億5000米ドル(3218億円)に上方修正した。

鶏肉生産量も引き続き好調

タイ農業・協同組合省によると、2016年11月の鶏肉生産量は、引き続き堅調な輸出需要を背景に16万411トン(前年同月比3.6%増)となった。(図17)。11月の鶏肉卸売価格は1キログラム当たり47.6バーツ(同2.7%安)となった(図18)。

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タイ農業・協同組合省畜産局の出先機関であるナコーンラーチャシーマー県(注5)畜産事務所長は、タイの肉用鶏のほとんどは、鶏肉企業あるいはそれらと契約した農家により生産されており、鶏肉企業が市場の動向をみて供給量を調整しているため、鶏肉の卸・小売価格が大きく変動することは少なく、鶏肉産業は比較的安定した産業であるとしている。その一方で、近年同県では、環境問題などから近隣住民の反対によって鶏肉企業の農場新設が中止追い込まれることがたびたびあり、今後の鶏肉生産量の大幅な増加は難しいとしている。

(注5) 首都バンコクから北東約260キロメートルに位置しており、2015年の肉用鶏農家戸数は697戸、飼養羽数は245万羽となっている。

(調査情報部 青沼 悠平)


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