需給動向 国内 |
生乳生産量は減少傾向も、牛乳等向けは増加
平成28年11月の生乳生産量は、主産地である北海道での減少などから57万9383トン(前年同月比1.6%減)と3カ月連続で前年同月を下回った(図5)。内訳を見ると、北海道は30万5470トン(同1.8%減)、都府県は27万3913トン(同1.3%減)となった。
用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは、好調に推移してきた牛乳消費を反映し、33万258トン(同0.5%増)と13カ月連続で前年同月を上回った。乳製品向けは、牛乳等向けの増加により24万4881トン(同4.1%減)と5カ月連続で前年同月を下回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。
バター・脱脂粉乳ともに減産
平成28年11月のバターの生産量は、4161トン(前年同月比1.2%減)と9月以降、3カ月連続で前年同月を下回っているが、同年4月から11月までの累計では、4万893トン(前年同期比1.0%増)と前年を上回った。
11月の脱脂粉乳の生産量は、8828トン(前年同月比3.1%減)と7月以降、5カ月連続の減少となり、同年4月から11月までの累計も、7万7529トン(前年同期比2.2%減)と前年を下回った。
バター在庫量、需給緩和で前年比増
平成28年11月のバター在庫量は、前月からは減少したものの、2万5075トン(前年同月比24.6%増)と高い水準である。国産および外国産バターが積み増し傾向にあり、また、調製食用脂(PEF)などの代替物の需要が一定量あることなどから、今後も高い水準で推移すると見込まれる。
また、品目別バター需給によると、乳業メーカーが保有するバターの在庫のうち、洋菓子店などで利用される業務用のポンド・シート等は前年同月比34.8%増と高い水準で推移しており、現在の在庫水準であれば十分な供給力があると見込まれる(表4)。
家庭用バターは、供給も安定して推移
家庭用バターは、例年、クリスマスからバレンタインに向けて需要が高まる傾向にある。機構が行っているバター店頭調査では、最需要期である12月に調査全店舗が「陳列あり」と回答しており、業務用と同様、安定的な供給が行われている状況にある(図6)。
(畜産需給部 山北 淳一)