需給動向 海外 |
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輸出の伸びが縮小するも、豚価は高水準を維持
生産量は前年割れ
欧州委員会によると、2016年10月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比4.7%減の192万トンとなった(図7)。EU最大の生産国であるドイツ(シェア25%)が同3.2%減、第2位のスペイン(同17%)が同1.1%減となった。両国をはじめ多くの国が前年を下回る中、特に主要生産国の一つであるデンマーク(同6%)が同13.8%減、オランダ(同6%)が同11.3%減とかなり大きな減少となっている。
2016年1〜10月のEU全体の累計では、前年同期比1.0%増と前年をわずかに上回っている。
輸出量は中国向けの減少などにより増加幅が縮小
欧州委員会によると、2016年10月の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同月比0.6%増の18万トンとなった(図8)。17カ月連続で前年同月を上回ったものの、2015年末以降続いた増加の傾向と比較すると、増加幅は大きく縮小している。要因として、中国向けの減少が挙げられ、同国への同月の輸出量は、同7.3%減の5万8000トンと、2015年1月以来21カ月ぶりに前年を下回った。
加盟国別に見ると、EUの2大輸出国であるスペイン(同11.1%増)、ドイツ(同3.4%増)は前年を上回っている一方、第3位のデンマークが同14.6%減とかなり大きく前年を下回っている。
豚価は高水準を維持
欧州委員会によると、2016年11月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前年同月比14.7%高の100キログラム当たり151.55ユーロ(1万8792円:1ユーロ=124円)となった(図9)。
2016年5月以降、中国向け需要などにより上昇していた同価格は、前月から4.1%安となるも、引き続き高水準を維持している。
(調査情報部 大内田 一弘)