需給動向 海外 |
◆中 国◆
牛肉輸入は引き続き増加の見込み
4月に公表されたUSDAの観測によると、2017年の牛肉生産量は前年比1.0%増の707万トン、牛肉輸入量は同17.0%増の95万トンになると見込まれている。
また、同年の子牛生産頭数は前年の1.0%に当たる50万頭増加し、豪州などからの生体牛輸入は同9.0%増の14万5000頭と見込まれている(表2)。
これらは、国内牛肉産業が小規模零細経営中心であるなどの構造的制約から、消費の伸びを増産で賄いきれない分、輸入が増加するとの観測であり、価格優位性の高い南米産が飛躍する一方、近年グレインフェッド牛肉に対する評価の高まっている豪州産が伸びる余地も大きいとしている。ただし、豪州は現状では頭数減少からの回復途上にあるため、増加は限定的であるとしている。
米国産牛肉については、7月をめどに輸入が再開されるとの見込みが米中両国により公表されたが、仮に再開された場合も、比較的高価であるため出足は遅いと見られている。
冷凍牛肉の2017年1〜4月までの輸入量は、前年同期比17.2%増の21万4206トンとなり、南米各国からの輸入が好調で、特にウルグアイとアルゼンチンの伸びが大きく、それぞれ同46.6%増の6万108トン、66.8%増の2万554トンとなった。
一方、豪州産、カナダ産は低調で、それぞれ同8.3%減の3万3987トン、45.3%減の3820トンとなった(表3)。
なお、冷蔵牛肉は近年、豪州産のみが輸入されており、同期間の輸入実績は、同29.4%減の1737トンとなっている。
冷凍牛肉の国別輸入CIF価格を見るとカナダ産が最も高価格となっている。豪州産は大半が低価格帯のグラスフェッド牛肉だが、一部高価格のグレインフェッド牛肉を含むため平均価格が高くなっている。NZ産はグラスフェッド牛肉中心であるが、価格は中程度である。南米各国産は低価格だが、中でもウルグアイ産が最も安価で価格優位性が高い(図10)。
(調査情報部 木田 秀一郎)