需給動向 国内 |
平成29年5月の鶏卵卸売価格(東京、M玉)は、前月比11円安の1キログラム当たり216円(前年同月比12円高)と4カ月ぶりに前月を下回った(図9)。
同価格は、例年、気温の上昇とともに鍋物などの季節需要の減退で低下する傾向にあるが、本年は、3月が、決算期を迎えた量販店の特売需要の高まりにより、4月が、学校給食の再開や花見などのイベント需要により、上昇基調となっていた。しかし、5月は、産卵に適した温暖な気候であったため、生産量は増加傾向となり、大型連休明けから、例年同様に価格が低下する展開となった。
今後の見通しについて、供給面では、比較的安定した鶏卵相場などを背景に採卵用ひなえ付け羽数が増加しているものの、梅雨入り以降、夏場にかけて、気温の上昇に伴う卵重低下による小玉傾向が進むとみられる(図10)。一方、需要面では、例年通り、テーブルエッグなどの需要の鈍化に加え、一部外食店において生卵の持ち帰りが禁止されるなど、末端消費の低迷も予想される。
(畜産需給部 河村 侑紀)