需給動向 海外

◆中 国◆

輸入ヨーグルトは好調も、輸入飲用乳は減速


粉乳類の輸入は堅調

国際乳製品貿易に大きな影響を及ぼす中国の粉乳類の輸入動向をみると、2017年1〜4月の全粉乳と脱脂粉乳の輸入量は全粉乳が前年同期比3%減の22万6923トン、脱脂粉乳が同7.6%増の9万2200トンとなっている(図29)。

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輸入CIF価格はいずれも上昇傾向にあるものの、両者の差は拡大傾向にあり、2017年4月には1トン当たり981米ドルにまで拡大している。これは中国の全粉乳需要の回復を示しているとみられる。ただし、1〜4月のNZからの全粉乳輸入量は前年同期比5.2%減となっているが、これは過剰在庫状態が一段落して、年明け以降急回復した前年の反動とみられ、粉乳類の輸入は堅調に推移すると思われる。

NZ産以外のLL牛乳等の輸入は減少

乳製品消費の大勢を占める品目は、飲用乳とヨーグルトであるが、今年に入って飲用乳(LL牛乳中心)の輸入量の減速が見られる。1〜4月の輸入量は前年同期比18.9%減の13万4608トンで、NZ産が同70.9%増の4万1333トンと増加している以外は、ほぼすべての国が減少している(表13)。特に、ロシアによるEU産乳製品等の禁輸の影響からドイツを中心としたEU各国産の輸入が急増していたが、ドイツ産が同27.7%減の5万1819トンとなるなど大幅な減少が見られる。

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飲用乳と並んで国内消費量の多いヨーグルトは輸入も堅調

一方、飲用乳と並んで国内需要が活発で近年市場の成長が著しいヨーグルトの輸入量はここ数年、毎年前年の倍になる速度で拡大しており、1〜4月も前年同期比35.8%増の5844トンと堅調である(表14)。ただし、輸入ヨーグルト市場も実質的にドイツによりけん引されており、2016年の輸入実績のうち69%はドイツ産で占められている。2017年に入って、引き続きドイツ産は堅調であるが、スペインなどその他の国からの輸入はやや減速した感がある。

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なお、ヨーグルト国内販売数量は2016年の501万トンから、2017年には24%増の620万トンに達するとも言われ、年々急速にその市場を拡大している。特に、国内大手乳業の蒙牛、伊利、光明の3社の製品が市場の過半を占める(図30)。

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中国市場では、冷蔵インフラが広大な全土に行き渡っていないことから、常温保存可能なヨーグルトのシェアが一定程度存在する。これらは、常温(4〜25℃)で4〜5カ月保存が可能とされ、特に贈答品としての需要が高く、常温ヨーグルトのヨーグルト全体に占める構成比は2014年は25%、2016年は38%に増大していると言われる。

(調査情報部 木田 秀一郎)


				

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