需給動向 海外

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乳用牛の淘汰増と価格安で2016年の輸出は増加


乳用牛の淘汰が進み、2016年の枝肉生産量は増加

欧州委員会によると、2016年の牛枝肉生産量(EU28カ国)は、生産者乳価が低迷する中、乳用牛の淘汰がEU全体で進められたことから、前年比2.7%増の778万トンとなった(図4)。

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主要牛肉生産国のほとんどが増産となったが、特にオランダ(前年比8.7%増)とポーランド(同6.5%増)の増加が著しく、EU全体の生産増をけん引している(表1)。

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欧州委員会は、3月に公表した需給見通しの中で、生乳生産の回復により乳用牛の牛肉市場への供給が限定的になるとし、2017年の牛肉生産量は前年比1.2%増を見込んでいる。

価格は低水準で推移

欧州委員会によると、2017年3月の牛枝肉卸売価格(EU28カ国)は、雄牛が前年同月並みの100キログラム当たり372.75ユーロ(4万5476円:1ユーロ=122円)、去勢牛が同1.9%安の同394.94ユーロ(4万8183円)となった(図5)。

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2016年以降、乳価低迷による乳用牛の淘汰が進み、牛枝肉生産量が増加した影響などを受けて、牛枝肉卸売価格は低水準で推移している。

2016年輸出量は前年比15.9%増

欧州委員会によると、2016年の牛肉輸出量(EU28カ国。製品重量ベース)は、前年比15.9%増の21万457トンとなった。輸出先国別では、イスラエル(前年比158.0%増)、ベトナム(同121.9%増)、フィリピン(同68.2%増)、香港(同41.1%増)向けなどが増えている。

EUは、禁輸措置を実施しているロシアに代わる市場として東南アジアや中東、北アフリカ諸国への輸出を増やしているが、主要牛肉輸出国であるアルゼンチン、米国などとの競争があるものの、この動きは今後も続くとみられ、欧州委員会は2017年の輸出量を前年比5.0%増と見込んでいる。

また、2016年の生体牛輸出頭数(EU28カ国)は、前年比23.2%増の99万7835頭となった(図6)。トルコ、イスラエル、レバノンなど中東諸国からの需要が高く、輸出された生体牛は現地でハラールと畜されている。欧州委員会は、生体牛輸出は今後も堅調に増加するとし、2017年は前年比10.0%増を見込んでいる。

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(調査情報部 大内田 一弘)


				

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