需給動向 海外 |
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2017年1〜3月は輸出量・生産量とも増加
2017年1〜3月の鶏肉輸出量(調製品等を含む。)は、引き続き堅調な日本からの需要などを受け、鶏肉調製品および冷凍鶏肉(カット品)が増加し、19万2483トン(前年同期比7.1%増)となった(図17)。
品目別に見ると、鶏肉調製品および冷凍鶏肉(カット品)は、日本向けが好調に推移していることから、それぞれ12万4732トン(同11.9%増)、5万1434トン(同4.7%増)となった。
一方、加塩鶏肉(EU向け)は、英国、ドイツ、オランダ向けが、主軸通貨に対しバーツが安定しないことから1万6279トンと減少している(同13.4%減)。
タイの食品大手のチャルン・ポカパン・フーズ(CPF)は3月、米国など輸出競合国での鳥インフルエンザ(AI)の発生により、日本や欧州からの受注が増加していることから、2017年の輸出量は、前年の13万トンから15〜20%増加すると発表している。
2017年1〜3月の鶏肉生産量は、堅調な輸出需要などを背景に前年同期比を1.3%上回る47万6000トンとなった(図18)。
2017年3月、タイ商務省国内取引局が発表した3カ月予測(3〜5月)は、生産に影響を与える大きな懸念材料はなく、国内外の需要を満たすだけの生産量が見込まれることから、鶏肉価格(卸売価格、小売価格)は安定して推移するとしている。タイの旧正月(4月13〜17日)期間中およびその前後に一時的に鶏肉が店頭で品薄になったが、ここ最近の鶏肉価格は大きな変動はなく安定している。
一方、タイ農業・協同組合省畜産開発局は、2017年に入ってから隣国のマレーシア、カンボジアなどでAIが多発しており、特に、タイ国境に近いマレーシア北部のクランタン州での感染が終息していないことから、細心の注意を払う必要があるとしている。なお、タイでは、2009年2月の最終発生以降、AIは確認されていない。
(調査情報部 青沼 悠平)