需給動向 海外

◆米 国◆

2017年第1 四半期の生産量は過去最高


処理羽数は増加も今後の増加は鈍化の可能性

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年4月26日に公表した「Poultry Slaughter」によると、3月のブロイラーの処理羽数は、前年同月比1.4%増の7億7144万7000羽となった。また、1羽当たり平均処理時生体重は、前年同月並みの2.80キログラム(同0.2%増)となった。この結果、鶏肉生産量は、同1.6%増の162万5000トンとなった(図14)。

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また、2017年第1四半期(1〜3月)の鶏肉生産量は、処理羽数の増加により、前年同期比1.9%増の464万1000トンと第1四半期としては過去最高となった。

今後の生産量についてUSDAは、2016年末以降のひなふ化羽数が増加しているものの、これに占める肉用鶏の割合が減少していると指摘している。

冷凍在庫は前月から減少

USDA/NASSが2017年4月24日に公表した「Cold Storage」によると、3月末時点の冷凍鶏肉在庫量は、輸出および国内需要の増加により、前月から1万トン減少し、前年同月比3.5%減の34万7000トンとなった(図15)。

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部位別に見ると、手羽は、前月から3000トン減となる2万9000トン(前年同月比15.7%減)、むね肉は、前月から6000トン減となる8万1000トン(同2.5%減)と、それぞれ減少した。一方、レッグクォータ(注)は前月からわずかに増加し、5万1000トン(同6.5%増)となった。

(注) ブロイラーを4分の1にカットしたもの。ドラムスティックと上ももに背肉の半分が付着したもの。

卸売価格は前年を上回って推移

USDA/NASSが2017年4月27日に公表した「Agricultural Prices」によると、3月のブロイラーの生産者販売価格は、前年同月比14.6%高の1ポンド当たり55セント(1キログラム当たり136円:1米ドル=112円)となった。

また、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2017年4月の鶏肉(丸どり(中抜き))卸売価格は、前年同月比9.5%高の1ポンド当たり96.78セント(1キログラム当たり239円)(速報値)と3カ月連続で前年同月を上回った(図16)。部位別に見ると、むね肉は、同10.1%高の同128.45セント(同317円)と4カ月連続で上昇し、レッグクォータも同14.1%高の同38.91セント(96円)と、2016年4月以降前年同月を上回っている。

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(調査情報部 渡邊 陽介)


				

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