需給動向 国内 |
総務省の「家計調査報告」によると、平成28年度の卵(注)の家計消費は、テーブルエッグやコンビニエンスストアなどで販売されている卵加工品の底堅い需要を背景に、購入数量・支出金額ともに前年がうるう月であった2月を除く全ての月で前年同月を上回った。購入数量は、1人当たり10.4キログラム(前年度比3.9%増)となり、13年度以来15年ぶりの高水準となった。また、支出金額は、1人当たり3152円(同2.5%増)と、3年度以来25年ぶりに3100円台を記録した(図8)。
注:鳥類の卵。加工品も含む。
鶏卵卸売価格(東京、M玉)は、平成29年1月中旬以降、上昇基調が継続し、4月は前月比10円高の1キログラム当たり227円(前年同月比12円高)と前年同月をやや上回った(図9)。
同価格は、例年、春から夏場にかけて、鍋物などの季節需要の減退で低下する傾向にあるが、本年は下がることなく推移している。3月以降、徐々に寒さが和らぎ、生産量は増加傾向となったものの、3月は、決算期における量販店の特売需要の高まりにより、また、4月は、学校給食の再開や花見などのイベント需要により、価格は上昇基調となった。
今後について、供給面では、温暖な気候が見込まれ、生産量は安定的に推移するとみられる。一方、需要面では、大型連休が終了し、気温の上昇に伴う需要の減退を懸念する声も聞かれる。
(畜産需給部 河村 侑紀)