需給動向 海外

主要畜産国の需給



  

 2015年の世界の牛肉生産量は、6755万トン(枝肉換算ベース、FAO Food Outlook、2016年10月)と見込まれる。主要生産国(国別データは米国農務省)は、米国(1082万トン)、EU28カ国(769万トン)などの先進国のほかに、ブラジル(943万トン)、中国(670万トン)、インド(410万トン、水牛肉を含む)、アルゼンチン(272万トン)といった新興国である。牛肉消費量は、米国が世界最大の消費国であるが、EU、アルゼンチン、インドなどの国々も生産とともに消費が増加している。牛肉輸出量は、豪州(185万トン)、インド(181万トン)、ブラジル(171万トン)の順に多い。また、日本への輸出割合が高い米国や豪州、ニュージーランド(64万トン)の3カ国で全輸出量の約4割を占める。


  

 2015年の世界の豚肉生産量は、1億1722万トン(枝肉換算ベース、FAO Food Outlook、2016年10月)と見込まれる。主要生産国(国別データは米国農務省)は、中国(5487万トン)であり、これにEU28カ国(2329万トン)や米国(1112万トン)などが続く。EUや米国は生産量に占める輸出量の割合が高く、東アジアを中心に輸出量を増加させている。新興国では、経済成長に伴いブラジル(352万トン)、ロシア(262万トン)、メキシコ(132万トン)の生産量が増加している。中国以外のアジア地域では、ベトナムやフィリピンなどの生産量や消費量が多い。日本は生産量が125万トンであるが、消費量のおよそ半分の127万トンを輸入しており、世界全体の輸入量の約2割を占める最大の豚肉輸入国である。



  

 2015年の世界の鶏肉生産量は、1億1482万トン(骨付き換算ベース、FAO Food Outlook、2016年10月)と見込まれる。主要生産国(国別データは米国農務省)は、米国(1797万トン)であり、これに中国(1340万トン)、ブラジル(1315万トン)と続く。このほか、最近ではインド(390万トン)やロシア(360万トン)、アルゼンチン(208万トン)などで著しく増加している。鶏肉消費量は、米国が最大の消費国であり、人口増加に伴いインド(389万トン)なども増加している。鶏肉輸出量は、ブラジル(384万トン)、米国(287万トン)、EU28カ国(118万トン)、タイ(62万トン)の順に多く、ブラジルと米国で世界の輸出量の6割以上を占める。



  

 2015年の世界の生乳生産量(水牛乳含む)は、8億871万トン(FAO Food Outlook、2016年10月)と見込まれる。主要生産国(国別データは米国農務省)は、EU28カ国(1億5245万トン)、インド(1億4700万トン)、米国(9448万トン)などであるが、インドは水牛乳が生乳生産量の約6割を占める。地域別にみると、最近では、アジアや南米の生乳生産量の増加が著しい。2015年の貿易量(輸出量・生乳換算)は7207万トンと見込まれ、その貿易率は8.9%と穀物や砂糖、牛肉、家きん肉などと比べて低い。主要輸出国(地域)は、ニュージーランド、EU28カ国、米国、豪州などである。



				

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