需給動向 国内

◆鶏 卵◆

平成28年の鶏卵生産量、2年連続増加


平成29年3月13日に農林水産省が公表した「鶏卵流通統計調査」によると、28年(1〜12月)の鶏卵生産量は、256万2243トン(前年比1.6%増)と2年連続で前年を上回った(図8)。これは、近年の鶏卵相場が好調に推移していることを受け、生産者の増産意欲が高まったためと考えられる。

018a

都道府県別割合を見ると、茨城県が7.9%と最も高く、次いで千葉県が6.7%、鹿児島県が6.5%と続き、上位10道県で全体の過半を占めた(図9)。茨城県や千葉県は、鹿島港の港湾地域に集約した飼料工場や大消費地である東京から近く、輸送面で優位性がある。

018b

3月の鶏卵相場、13カ月ぶりに前年同月を上回る

平成29年3月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1月中旬以降の上昇基調が継続し、前月比13円高の1キログラム当たり217円(前年同月比2円高)と13カ月ぶりに前年同月を上回った(図10)。

019a

2月は、年明けの相場安に対応した生産調整後の産卵の本格化などにより、生産量は回復傾向となったものの、恵方巻きなどのイベント需要や鍋物需要などが継続したことから、価格は段階的に上昇していった。3月は、徐々に寒さが和らぎ、生産量は増加傾向となったものの、決算期における量販店の特売需要の高まりなどから、引き続き価格は上げ基調となっている。

今後の見通しについて、気温の上昇に伴い、季節需要の減退が見込まれるものの、学校給食の再開や花見などのイベント需要により、一定程度の需要が継続するとみられる。

鳥インフルエンザの発生状況

農林水産省消費・安全局動物衛生課の発表によると、平成28年11月28日以降、全国各地で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の発生が確認され、発生農場では飼養家きんの殺処分・埋却などの防疫措置が施された。

このうち、採卵鶏農場での発生は、29年4月18日現在まで、新潟県(関川村・上越市)、北海道清水町、熊本県南関町、岐阜県山県市、宮城県栗原市および千葉県旭市で計7事例発生している。遺伝子解析の結果、いずれも韓国で流行している鳥インフルエンザと同じH5N6亜型と判明し、合計約128万5000羽が殺処分された。

(畜産需給部 河村 侑紀)


				

元のページに戻る