需給動向 海外

◆カナダ◆

豚肉輸出量は過去最高


豚飼養頭数は増加傾向で推移

カナダ統計局(Statistics Canada)が3月3日に公表した「Hog Statistics」によると、2017年1月1日現在の豚の飼養頭数は、前年比1.6%増の1372万5000頭となった(表2)。このうち繁殖豚は同1.2%増の125万1000頭、肥育豚は同1.6%増の1247万4000頭とそれぞれ前年を上回った。米国農務省(USDA)はこの要因について、飼料穀物価格が安価なことのほか、と畜施設の処理能力に余力があることなどを挙げている。

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州別に見ると、最も飼養頭数が多いケベック州は同1.8%増の433万5000頭、次いで多いオンタリオ州は同1.4%増の338万1000頭となった。また、米国へ多くの子豚を輸出しているマニトバ州は同1.5%増の313万頭となった。

また、今後の豚飼養頭数についてUSDAは、カナダの豚価が数年前に比べ安値にあることや豚肉生産が好調な米国からの需要が減少することなどにより、増頭のペースが鈍ると見込んでいる。

豚肉生産量は2年連続で増加

2016年の豚と畜頭数は、飼養頭数の増加などにより、前年比0.3%増の2126万2000頭となった。豚肉生産量は、同2.2%増の204万8000トン(速報値)となり、1頭当たり平均枝肉重量が増加しているものとみられる(図11)。

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豚肉生産量は、2017年に入ってからも堅調に推移しており、1〜2月は前年同期比0.3%増の33万3000トン(速報値)となった。

アジア市場が輸出量の増加をけん引

2016年の豚肉輸出量は、前年比6.1%増の124万6000トンと過去最高を記録した(図12)。輸出先国別に見ると、最大の輸出先である米国向けは、同国の豚肉生産が好調だったことなどから、同8.6%減の40万7000トンとなった。一方、中国向けは、同国の豚肉生産量の減少による需要の高まりにより、前年の約2.4倍となる31万2000トンとなった。日本向けは、同1.1%増の22万トンとなった。

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また、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2016年の米国への生体豚の輸出頭数は、同国の豚飼養頭数が過去最高水準で推移していることから、前年比1.2%減の566万9000頭と前年をわずかに下回った。

(調査情報部 渡邊 陽介)


				

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