需給動向 海外

◆米 国◆

好調な牛肉生産、引き続き増産見込み


フィードロット飼養頭数は前年を上回って推移

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年9月22日に公表した「Cattle on Feed」によると、8月のフィードロット導入頭数は、前年同月比2.6%増の192万8000頭となった。一方、フィードロットからの出荷頭数は、安値で推移した肥育牛価格に対するパッカーからの需要が堅調であったことから同5.9%増の197万9000頭となった。

また、9月1日時点のフィードロット飼養頭数は、フィードロットの収益性が良好であった上期に導入が進んだことから、同3.6%増の1050万4000頭となった(図1)。

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供給頭数の増加により、と畜頭数が大きく増加

USDA/NASSが2017年9月21日に公表した「Livestock Slaughter」によると、2017年8月のと畜頭数は、前年同月比7.0%増の294万2000頭となった。同月の1頭当たり平均枝肉重量は、出荷の早期化により同1.0%減の372キログラムとなった。この結果、牛肉生産量は、同6.0%増の108万9000トンとなった(図2)。

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2017年の生産量についてUSDAは、前年比5.3%増の1204万7000トンと見込んでいる。2018年については、2017年下期のフィードロットへの導入ペースが鈍化するとして下方修正したが、同2.7%増の1237万2000トンと、依然として増産を見込んでいる。

冷凍牛肉在庫量は2月以降前年を下回って推移

USDA/NASSが2017年9月22日に公表した「Cold Storage」によると、8月末時点の冷凍牛肉在庫量は、前年同月比0.1%減の21万6000トンとなった(図3)。冷凍牛肉在庫量は、国内外からの堅調な需要により2017年2月以降前年を下回って推移している。

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牛肉輸出はアジア、北米向けを中心に好調

米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2017年1〜7月の牛肉輸出量は、前年同期比14.5%増の71万4000トンとなった(表1)。輸出先別に見ると、最大の輸出先である日本向けは同25.7%増の21万6000トンとなったほか、アジアおよび北米向けを中心に軒並み増加した。これらの増加要因として、生産量の増加により牛肉価格が安値で推移したことが挙げられる。なお、2017年7月から輸出が再開した中国向けは190トンであった。

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2017年の輸出量についてUSDAは、第4四半期(10〜12月)は減少するものの、通年では126万3000トンと前年比8.9%増を見込んでいる。

(調査情報部 渡邊 陽介)


				

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