需給動向 国内 |
鶏肉在庫、増加傾向で推移 |
平成29年8月の鶏肉需給を見ると、生産量は12万4487トン(前年同月比1.7%増)と前年同月をわずかに上回り、輸入量はブラジル産の増加により、5万2043トン(同13.2%増)と前年同月をかなり大きく上回った。推定出回り量は16万6378トン(同0.2%減)と前年同月並み、推定期末在庫は前月から1万152トンを積み増したものの、15万7855トン(同6.8%減)と前年同月をかなりの程度下回った(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。
平成29年9月の国産鶏肉卸売価格(東京・速報値)を見ると、もも肉は1キログラム当たり572円(前年同月比6.2%安)と2カ月連続で同600円を割り込んだ一方で、むね肉は同329円(同27.0%高)と8カ月連続で前年同月を上回り、高値となっている(図5)。
また、鶏肉の推定期末在庫を見ると、在庫過多であった前年の反動で前年同月を下回っているものの、増加傾向で推移している。8月については、ブラジル産の輸入量増加に伴い、1万トン強を積み増し、15万7855トンと16万トンに迫る高い水準となった(図6)。
鶏肉消費の約4割を占める家計消費は、季節変動による増減を繰り返しながらも増加傾向で推移している。平成29年8月の1人当たりの鶏肉購入数量は402グラム(前年同月比3.7%増)とやや、支出金額は396円(同6.3%増)とかなりの程度、いずれも前年同月を上回った(図7)。
鶏肉の家計消費が好調に推移している背景としては、牛肉や豚肉と比べ安価でヘルシーなイメージがあり、消費者の低価格志向や健康志向に合致しているためと考えられる。
(畜産需給部 河村 侑紀)