需給動向 国内 |
平成29年9月の鶏卵卸売価格(東京、M玉)を見ると、夏場の不需要期を過ぎて上昇基調で推移し、前月比12円高の1キログラム当たり194円(前年同月比2円高)と前年同月をわずかに上回った(図9)。
鶏卵の卸売価格は、例年、夏場に底を迎え、最需要期の冬場に向けて上昇する傾向がある。本年においても、9月に入り、暑さが和らぎ、卵重が回復する中で、学校給食の再開や、大手ファストフードやコンビニチェーンなどが鶏卵を使用した商品展開を実施したことなどから、相場は上昇傾向となった。
今後について、供給面では、さらなる気温の低下で産卵率や卵重が回復し、順調な生産が期待される。また、需要面では、おでんや鍋料理、クリスマスの洋菓子などの需要期に向けて消費は好調に推移するとみられ、鶏卵相場は例年通り冬場に向けて上昇傾向で推移するとみられる。
鶏卵消費の約5割を占める家計消費を見ると、8月の購入数量および支出金額はそれぞれ、1人当たり849グラム(M玉換算で約14個相当。前年同月比4.6%増)、同260円(同3.1%増)といずれも前年同月をやや上回った。
近年、家計消費は比較的好調に推移しており、購入数量については、今年に入り、2月と6月を除く全ての月で前年同月を上回っている(図10)。
(畜産需給部 河村 侑紀)