需給動向 海外 |
乳製品の輸入量は増加傾向で推移
2017年1〜8月の主要乳製品の輸入量は、飲用乳を除くすべての品目で前年同期を上回った(表17)。特に、最近変化の大きい品目は次の通りである。
全粉乳と脱脂粉乳は、7〜8月の輸入量が前年同期比で8割程度増え、1〜8月の輸入量はそれぞれ前年同期比10.7%増、29.2%増となった。業界では、2014年と2015年に大量に輸入した粉乳の在庫処理が一段落したと言われており、今後も増加傾向で推移すると見込んでいる。
また、ヨーグルトは7月、8月の月間輸入量が2カ月連続で過去最高を更新し、1〜8月の輸入量は前年同期比61.9%増と大幅に増加した。輸入先国別で見ると、ドイツが8割弱を占めており、増加分のほぼすべてがドイツからの輸入である。中国では、所得増大を背景に健康志向の高い消費者の間にヨーグルトを食べる習慣が急速に広がっていると言われている。業界団体によると、ヨーグルトの販売量は、近年、年率25%程度で拡大しており、2017年には600万トン強となると見込まれている。これに伴い、輸入品への需要も引き続き増加すると見込んでいる。
また、品目別の輸入単価は、ホエイ、バター、全粉乳で大きく上昇している(表18)。
育児用粉乳(育粉)の安全性確保を進める同国では、「乳幼児用粉乳の配合登録管理弁法」(詳細は本誌2016年9月号P104〜106を参照)に基づき、国家食品薬品監督管理総局に製品の配合を登録しなければならない。配合登録は、2017年8月3日以降、11回にわたり公表され、9月15日時点で主要ブランドを中心に297件が登録されている。
政府関係者によると、これまで申請された配合はすべて登録されているとのことであるが、登録期限の2018年1月1日までにどの程度の業者が登録されるかが注目されている。現在、国内で育粉を製造している事業者は100社程度あり、1社当たり3つの発育段階(0〜6カ月齢、6〜12カ月齢、12〜36カ月齢)ごとに3種類ずつ、最大9種類の登録が認められている。輸入品についても、国内と同様に配合登録を行わなければならない。
(調査情報部 三原 亙)