需給動向 海外 |
◆カナダ◆
飼養頭数、豚肉輸出量ともに堅調に推移
カナダ統計局(Statistics Canada)が8月18日に公表した「Hog Statistics」によると、2017年7月1日時点の豚飼養頭数は、1413万頭(前年比2.1%増)となり、5年連続で前年を上回った(表4)。繁殖豚が127万5300頭(同1.2%増)と堅調に推移していることから、肥育豚も1285万4700頭と、前年を2.2%上回った。肥育豚を重量別にみると、前年比で増加幅の最も大きかったのは、23〜53キログラムの比較的軽量な区分で、4.4%増であった。
飼養頭数を地域別にみると、ほぼ全ての地域で前年を上回った。このうちカナダで3番目に豚飼養頭数の多いマニトバ州では前年を4.7%上回り、飼養頭数第2位のオンタリオ州との差が縮小した(表5)。
なお、同日時点の豚農家戸数は7880戸(前年比1.0%増)、1戸当たり豚飼養頭数は1793頭(同1.1%増)と、いずれも前年をわずかに上回った。
2017年上半期のと畜頭数は、前年同期比2.3%増の1085万6000頭となった(表6)。生体豚輸出頭数が前年同期を上回ったことに加え、「死亡など」に分類される減耗頭数も、マニトバ州で多発した豚流行性下痢(PED)により前年同期を2.2%上回ったが、産子数が前年同期を2.9%上回ったことなどから、期末頭数は同2.1%増の1413万頭となった。
カナダ農務・農産食品省(AAFC)によると、2017年7月の豚肉輸出量は前年同月比2.3%増の9万8307トンとなり、3月以降5カ月連続で前年を上回って推移した(図8)。このため、2017年1〜7月の豚肉輸出量は75万4422トンとなり、前年同期を6.1%上回った。
輸出先別に見ると、米国や韓国への輸出が前年を下回ったものの、日本をはじめとするアジア市場やメキシコなどへの輸出が堅調であった(表7)。
2018年のカナダの豚肉輸出量について、米国農務省海外農業局は、引き続き記録的な高水準で推移すると見込んでいる。
(調査情報部 野田 圭介)