需給動向 海外 |
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中国向け輸出の停滞などにより豚価は2カ月連続下落
欧州委員会によると、2017年7月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比0.3%増の180万トンとなった(図9)。
同生産量は、2017年に入り増減を繰り返しているが、1〜7月までの累計では、前年同期比1.4%減の1339万トンとなっている。加盟国別に見ると、EU最大の生産国であるドイツ(同1.7%減)、フランス(同3.7%減)、ポーランド(同0.1%減)、デンマーク(同1.0%減)など主要国のほとんどが輸出需要の停滞などから減産または前年並みで推移する中、第2位のスペインは同2.3%増と生産を増やしている(表8)。
2017年1〜7月の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同期比11.2%減の218万トンとなった(表9)。
最大の輸出先である中国向けが同32.3%減と大幅に減少したことから、日本向け(同7.1%増)、韓国向け(同25.8%増)、フィリピン向け(同14.7%増)、米国向け(同21.0%増)などがいずれも増加したものの、全体ではかなりの減少となった。
欧州委員会によると、2017年8月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前月から1.5%下落し、前年同月比4.1%高の100キログラム当たり170.2ユーロ(2万2807円:1ユーロ=134円)となった(図10)。
同価格は、依然として高水準にあるものの、輸出減少などを反映し、前月比では2カ月連続の下落となった。
(調査情報部 大内田 一弘)