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◆米 国◆
2017年の豚肉生産量は過去最高の見込み
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年9月28日に公表した「Quarterly Hogs and Pigs」によると、9月1日時点の豚飼養頭数は、パッカーからの堅調な需要に伴い肥育豚価格が比較的高値で推移したことや新設されたと畜施設からの需要が見込まれていることなどから、前年比2.5%増の7354万9000頭と過去最高を更新した(表3)。
飼養頭数を種類別に見ると、繁殖豚が同1.2%増の608万7000頭となったほか、肥育豚も同2.6%増の6746万2000頭となり、いずれの重量カテゴリーも前年を上回った。
2017年6〜8月の分娩母豚頭数は、前年同期比1.5%増の310万3000頭、産子数は同2.2%増の3304万8000頭、1腹当たり産子数は同0.7%増の10.65頭と、いずれも同期間の過去最高を更新した。
USDA/NASSが2017年9月21日に公表した「Livestock Slaughter」によると、8月のと畜頭数は、前年同月比2.6%増の1066万頭と同月としては過去最高となった。1頭当たり平均枝肉重量(連邦政府検査ベース)は、同0.5%増の94.3キログラムとなった。これにより、生産量は、同2.8%増の100万2000トンとなった(図6)。また、同年1〜8月では、前年同期比2.8%増の753万9000トンとなった。
2017年の豚肉生産量についてUSDAは、第3四半期および第4四半期がともに記録的な水準となるとして、前年比3.6%増の1172万1000トンと過去最高を見込んでいる。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2017年8月の肥育豚価格は、国内外からの堅調な需要により、前年同月比20.5%高の100ポンド当たり57.99米ドル(1キログラム当たり146円:1米ドル=114円)と前年同月を大幅に上回った(図7)。今後の肥育豚価格についてUSDAは、9月上旬に新設された2つのと畜施設(クレメンスフーズ(ミシガン州)とトライアンフ・シーボードフーズ(アイオワ州))からの需要が肥育豚価格を下支えするとして、前年を大きく上回って推移すると見込んでいる。
また、同月の豚肉卸売価格は、同19.3%高の同91.02米ドル(同229円)となった。このうち、需要増により在庫が不足しているばら肉は、同47.8%高の同170.18米ドル(同428円)と依然高値となっている。
(調査情報部 渡邊 陽介)