需給動向 海外

◆カナダ◆

飼養頭数は前年並みも、生体牛価格は下落


飼養頭数は横ばいで推移

カナダ統計局(Statistics Canada)が8月18日に公表した牛の飼養動向調査によると、2017年7月1日現在の牛飼養頭数は、1295万頭(前年比0.1%増)であった(表2)。カナダの牛飼養頭数は最大となった2005年以降、減少傾向で推移した後、2015年以降は横ばいで推移している。

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種類別にみると、経産牛は前年比0.7%増の474万2000頭であった。このうち乳用牛は、生産性の向上に伴って減少傾向で推移してきたが、2017年は94万5000頭となり、前年を1.6%上回った。この要因としては、堅調な国内乳製品需要を満たすべく、生乳クォータが拡充されたことがあるとみられる。また、肉用牛については、草地の状態が改善したオンタリオ州などで増加したことから、同0.5%増の379万7000頭となった。なお、カナダ肉用牛生産者協会(CCA)の畜産物市況分析部門であるCanFaxは、今夏に大規模な火災が発生したブリティッシュコロンビア州の肉用経産牛頭数について、今後の減少を見込んでいる。

一方、未経産牛は、乳用と肉用の後継牛がいずれも前年を上回ったものの、肥育牛が同5.0%減少したことから、同2.0%減の213万頭となった。

また、Statistics Canadaによると、2017年上半期の生体牛輸出頭数は34万1000頭と、前年を大幅に下回った(表3)。この背景には、最大の生体牛の貿易相手国である米国の肉牛生産が堅調で、カナダ産肥育もと牛需要が減少したことや、カナダドル高で推移する為替相場の影響があるとみられる。

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出荷頭数の増加に伴い、生体牛価格は下落

CanFaxによると、2017年7月のフィードロット出荷頭数は、前年同月比21.3%増の15万2805頭と、5月以降3カ月連続で前年を上回った(図4)。この背景には高水準で推移する導入頭数があり、2017年上半期(1〜6月)は72万9318頭と、前年同期を14.5%上回った。

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こうしたことから、生体牛価格は下落基調で推移しており、7月の肥育牛価格は100ポンド当たり143.46カナダドル(1キログラム当たり281円:1カナダドル=89円)、肥育もと牛価格は同221.76カナダドル(同435円)と、いずれも前月をかなり下回った(図5)。

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(調査情報部 野田 圭介)


				

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