需給動向 海外 |
◆中国◆
国内の小売価格は低下傾向、鶏肉調製品の対日輸出は回復の兆し
中国の家きん肉生産では、鶏肉が6割、アヒル肉が3割を占めている。中国国家統計局によると、2017年の鶏肉とアヒル肉の小売価格(丸どり)は低下傾向で推移している(図20)。7月の1キログラム当たりの小売価格は、それぞれ21.9元(373円:1元=17.04円)と17.8元(303円)であり、前年同月比でそれぞれ2.0%、3.5%低い。
2016年12月以降、中国国内でヒトへの鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染が多数報告されたことを受け、中国政府はヒトと家きんの接触を減らすため、生体家きん市場を相次いで閉鎖した。業界関係者によると、これにより供給側が生体から丸どりにシフトさせた一方で、生体で買って自宅で処理する習慣のため、丸どりの購入があまり増えず、供給過剰となって小売価格が低迷したとみられている。
2017年1月から7月の冷凍鶏肉輸入量は、前年同期比で21.6%減少した(表8)。しかし、中国政府関係者の中には、ブラジル産の卸売価格は1キログラム当たり10元(170円)弱と、国産の18元(307円)と比べて依然価格競争力があることから、2017年の輸入量は2016年よりも増加するのではないかとの見方もある。なお、輸入単価は上昇基調で推移している(表9)。
鶏肉調製品の輸出は約8割が日本向けとなっている。2014年7月に発覚した期限切れ鶏肉の使用問題以降、日本向けの輸出量は減少傾向であったが、2017年1〜7月は前年同期比で15.5%と増加に転じている(表10)。また、日本向けの輸出単価はわずかに上昇している(表11)。
(調査情報部 三原 亙)