需給動向 国内

◆鶏 肉◆

8月のもも肉とむね肉の価格差、過去15年間で最小


平成29年7月の鶏肉需給を見ると、生産量は12万5140トン(前年同月比2.0%増)と前年同月をわずかに上回り、輸入量はブラジル産の減少により、4万754トン(同17.3%減)と前年同月を大幅に下回った。推定出回り量は16万9219トン(同1.6%減)と前年同月をわずかに下回り、推定期末在庫は前月から3325トンを取り崩し、14万7703トン(同12.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

国産鶏肉相場、もも肉軟調・むね肉保合

平成29年8月の国産鶏肉卸売価格(東京)を見ると、もも肉は1キログラム当たり574円(前年同月比5.6%安)と前月に引き続き前年同月を下回った一方で、むね肉は同327円(同30.1%高)と7カ月連続で前年同月を上回った(図6)。

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もも肉は、季節需要に伴う価格変動が大きく、不需要期とされる夏場にかけて価格が低下する傾向があり、今夏は、例年よりも下げ幅が大きく、35カ月ぶりに同600円を割り込んだ。

一方、むね肉は、主に加工・業務用に仕向けられているため、もも肉と比べて価格の季節変動は小さい傾向にある。前年は、高水準の輸入品在庫を背景に、輸入品との代替性が強いむね肉の相場は軟調に推移したが、今年は、在庫過多が解消されたことに加え、需要が好調であることから、比較的高値となっている。

このような相場の推移を受け、8月のもも肉とむね肉の価格差は同247円となり、過去15年間で最小となった。例年、価格差は、もも肉価格の季節変動を受け、夏場に縮小、冬場に拡大する傾向があるが、今年は、むね肉価格の上昇も加わり、その傾向は強まった。もも肉価格は今後、気温の低下に伴い需要増が見込まれることから、上昇に転じるとみられ、価格差は拡大する方向で推移すると思われる(図6)。

(畜産需給部 河村 侑紀)


				

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