需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

牛乳等向け処理量、3カ月ぶりに増加


平成29年7月の生乳生産量は、61万180トン(前年同月比3.3%減)と11カ月連続で前年同月を下回った(図7)。内訳を見ると、北海道が33万1403トン(同3.4%減)、都府県が27万8777トン(同3.2%減)といずれも減少した。北海道では、主産地である釧路地区の減少幅が前月に比べ拡大した。都府県では、生産シェアの3割を占める関東が3カ月ぶりに前年同月を下回ったことに加え、九州が同5.7%減と減少幅が目立った。

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用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは、コンビニエンスストアのカウンターコーヒーの需要増などを背景に34万6553トン(同0.4%増)と3カ月ぶりに前年同月をわずかに上回った一方で、乳製品向けは25万9510トン(同7.9%減)と13カ月連続で前年同月を下回って推移している(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。

7月の業務用牛乳、加工・成分調整牛乳は増加

北海道を中心に生乳生産量の回復が遅れる中、飲用牛乳等の生産量を見ると、7月は30万5120キロリットル(前年同月比2.5%増)となり、4〜7月累計で前年同期比1.3%増となった(図8)。種類別では、牛乳生産量が同1.1%増、加工乳・成分調整牛乳も同2.3%増と、ともに前年同期を上回った。

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増加の背景には、牛乳、加工・成分調整牛乳ともに、前述のカウンターコーヒーや、コーヒーチェーンなどの拡大により、業務用需要が増加傾向で推移していることがある。4〜7月の加工乳・調整牛乳生産量を見ると、業務用は同13.4%増とかなり大きく増加している。

4〜7月の牛乳購入量、前年同期を1.4%上回る

総務省「家計調査」によると、7月の全国・全世帯(2人以上の世帯)の平均牛乳・乳製品の購入数量のうち、牛乳は平均価格が前年同月比2.7%高で推移する中、7.28リットル(前年同月比0.1%減)と前年並みとなり、4〜7月累計では、前年同期比1.3%増とわずかに増加した。この増加の要因として、牛乳の摂取がヒトの健康に良い効能があるといった内容のテレビ報道の影響などで春先を中心に購入量が増加したことが挙げられる。また、7月のバターの購入数量は、32グラム(同8.6%減)とかなりの程度減少したが、4〜7月累計では、家庭用バター価格の改定に伴う駆け込み需要などがあったことから、前年同期比8.4%増となった。

(需給業務課 山神 尭基)


				

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