需給動向 海外

◆豪 州◆

最大手乳業メーカーの今年度集乳量、下方修正


脱脂粉乳、全粉乳、バターの輸出は大幅減

デーリー・オーストラリア(DA)が発表した、2017年5月の乳製品の主要4品目の輸出量は、前月に引き続き、チーズ以外は前年同月を下回った(表10、図19)。

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脱脂粉乳は、中国向けや日本向けが増加した一方、インドネシアやシンガポール、ベトナムなど、東南アジア向けが減少したことから、全粉乳は、中国向けはNZ産への切り替えにより、スリランカ、バングラデシュ向けは一時的な需要減により減少したことから、また、バターは、韓国向けやアラブ首長国連邦向けがNZ産への切り替えにより減少したことから、いずれも前年同月を下回った。

一方、チーズは、堅調な国際需要を受け、増加傾向にある。日本や中国向けは需要の高まりにより、韓国向けはNZ産からの切り替えにより、いずれも増加したため、前年同月をやや上回った。

最大手乳業メーカー、2017/18年度の集乳見通しを引き下げ

7月24日、豪州最大手の酪農協系乳業メーカーであるマレーゴールバン(MG)社は、2017/18年度(7月〜翌6月)の集乳量について、230万トン(前年度比17.8%減)との見通しを発表した。6月初頭の段階では250万トンとしていた見通しを、早くも下方修正する形となった。

同年度末の最終乳価については、今のところ乳固形分1キログラム当たり5.5豪ドル(495円:1豪ドル=90円)を維持するとしているが、2017年6月以降豪ドル高となっている為替相場が続けば、輸出環境が悪化し、これを引き下げる可能性があるとしている(図20)。

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MG社は、前年度の乳価を年度末間際に引き下げたことで、生乳供給先を他社へ変更する酪農家が続出し、集乳量の減少が続いている。現地専門家によると、同社の事業規模からすると、200〜230万トン程度の集乳量が最低でも必要とみられるが、今後、生乳供給契約の更新時期となる8月末に、生乳供給先の変更の動きが加速する可能性もあるとしており、今後の動向が注目される。

(調査情報部 竹谷 亮佑)


				

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