需給動向 海外

◆中 国◆

2017年上半期の乳製品の輸入量は増加


育粉、チーズ、ヨーグルトの輸入量は3割増加

2017年上半期(1〜6月)の乳製品の輸入量は飲用乳を除くすべての品目で前年同期を上回り、特に育児用調製粉乳(育粉)、チーズ、ヨーグルトは前年同期に比べて3割増加した(表13、14)。

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品目別に見ると、育粉の輸入量は前年同期比29%増の12万4557トン、輸入単価は同1.4%安の1トン当たり1万3506ドルであった。育粉の需要は2016年1月に始まった「二人っ子政策」により引き続き拡大すると見込まれる。他方、国内生産と輸入の双方に対する規制を強化する「食品安全法」(2015年10月改正・施行)および「乳幼児粉乳の配合登録管理弁法」(2016年10月施行)などによる影響が注目される(規制の詳細は『畜産の情報(2016.9)』P104~P106を参照)。

また、チーズの輸入量は前年同期比29%増の5万8644トン、輸入単価は同3.6%高の1トン当たり4426ドルとなった。チーズは所得向上と食の多様化によって需要が増大する一方で、ほとんど国内で生産されていないことから、一貫して輸入量が増加している。2016年は10年前(2006年)の約10倍となる9万7179トンが輸入された。

ヨーグルトの輸入量は前年同期比35%増の8937トン、輸入単価は同16%安の1トン当たり1825ドルとなった。チーズと同様に需要の増大により近年輸入が増加している。また、原料となる全粉乳の輸入価格が上昇したため、最終製品として直接輸入した方が相対的に有利となったことも影響していると考えられる。

飲用乳の輸入量は前年同期比20%減の21万7496トン、輸入単価は同4.4%高の1トン当たり779ドルと乳製品の中で唯一輸入量が前年同期比で減少した。これは2016年の輸入量の3分の2を占めるEUにおいて飲用乳の生産量が減少していることが一因と推察される。

生乳価格は前年並みで推移

生乳価格は例年、中国の旧正月である春節(注)前後に需要増大により上昇する。2017年上半期(1〜6月)の生乳の農場出荷価格は前年並みで推移した(図24)。

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なお、直近(6月)の価格は1キログラム当たり3.42元(57円:1元=16.68円)であった。

(注) 春節の日付は毎年異なり2017年は1月28日。1月下旬から2月上旬ごろ。

(調査情報部 三原 亙)


				

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