需給動向 海外

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生乳生産はわずかに減、国際価格は上昇が一服


2016/17年度生乳生産量、わずかに減

ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2017年5月の生乳生産量は、81万8000トン(前年同月比0.7%減)と、前年同月をわずかに下回った(図21)。また、2016/17年度(6月〜翌5月)の累計生乳生産量も、年度終盤にかけて天候が好転し、生産量が増加したものの、2134万1000トン(前年度比1.1%減)と前年度をわずかに下回った。

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現地専門家によると、6月の生乳生産量は、前年度に引き続き天候が良好であることに加え、特に北島において牧草生育が好調であることなどから、前年同月比2割近い増産となっているとしている。ただし、6月は乾乳期であるため、生乳生産量は少なく、年度全体の生産動向に与える影響は小さい。

乳製品輸出量、バターは減少、粉乳類とチーズは増

ニュージーランド統計局(Statistics NZ)によると、2017年6月の乳製品の主要4品目の輸出量は、以下の通りとなった(表11、図22)。

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脱脂粉乳と全粉乳は、ともに中国向け需要の増加から、前年同月を上回った。一方、バターは、中国向けは増加したものの、エジプトやサウジアラビアなど中東向けが減少したことで、前年同月を下回った。チーズは、米国やフィリピン向けが減少した一方で、豪州向けが7450トンと前年同月比56.9%の大幅増を記録したことなどから、前年同月を上回った。

なお、オランダの農協系金融機関であるラボバンク社によると、中国向け輸出は、同国内の生産が夏の暑熱などで伸び悩むと見込まれることもあり、下半期にかけてさらに増加が見込まれるとしている。

乳製品国際価格の上昇は一服も、酪農家は楽観視

2017年8月1日に開催された、乳製品価格の指標とされるグローバルデーリートレード(GDT:フォンテラ社主催の電子オークション、月2回開催)の1トン当たり平均取引価格は、以下の通りとなった(表12、図23)。

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前回入札では6000米ドルを超えるなど記録的な上昇を続けたバターをはじめ、全粉乳以外は軒並み下落した。乳脂肪分に対する世界的な嗜好の高まりは引き続き堅調と見込まれることから、酪農家の間では価格動向を楽観視する向きが強いものの、専門家によると、乳製品供給の増加を、市場は吸収しきれておらず、今後の生乳生産シーズンに向けて警戒する向きもある。

NZ最大手の酪農協であるフォンテラ社は、こうした乳脂肪分に対する需要に応えるべく、クリームチーズ工場の新設や、バター工場の増強を進めるなど、急ピッチで増産体制を整備している。また、一部現地報道によると、今後、乳脂肪分の多いジャージー種(注)を飼養する需要が高まる可能性もあるとしている。

(注) 同国酪農団体であるDairyNZによると、ジャージー種は、ホルスタイン種に比べると、無脂乳固形分が1割程度、乳脂肪分が3割程度多いとされる一方、搾乳量自体は3割程度少ないとされている。

(調査情報部 竹谷 亮佑)


				

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