需給動向 海外

◆米 国◆

2017年の生乳生産量は前年比1.8%増見込み


カリフォルニア州の生乳生産は熱波で不調

米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年7月20日に公表した「Milk Production」によると、6月の乳用経産牛飼養頭数は、前年同月比0.8%増の940万4000頭となった。同月の1頭当たり乳量は、同0.7%増の870キログラムとなった。この結果、生乳生産量は、同1.6%増の818万6000トンとなった(図12)。

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同月の生乳生産量を州別に見ると、最大の生産州であるカリフォルニア州は、熱波により1頭当たり乳量が減少したことなどから、同2.1%減の149万2000トンとなった。一方、生乳生産量が2番目に多いウィスコンシン州は、同0.2%増の115万3000トンと横ばいで推移した。

2017年の生乳生産量についてUSDAは、カリフォルニア州を中心とした熱波の影響による1頭当たり乳量の減少見込みから、前月の予測値を下方修正し、前年比1.8%増の9811万2000トンと見込んでいる。

チーズ生産量は、国内外からの堅調な需要により前年を上回る

USDA/NASSが2017年7月6日に公表した「Dairy Products」によると、5月のチーズ生産量は、国内外からの強い需要に後押しされ、前年同月比4.0%増の47万7000トンとなった(図13)。州別に見ると、最大の生産州であるウィスコンシン州で同0.2%増の12万3000トンとなったほか、第2位のカリフォルニア州で同2.8%増の10万トンとなった。

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同月のバター生産量は、在庫水準が高いことなどから、同1.5%減の7万4000トンとなり、前月に引き続き前年を下回った(図14)。このうち、最大の生産州であるカリフォルニア州は、同7.5%減の2万1000トンとかなりの程度減少した。

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また、同月のヨーグルトおよびサワークリームの生産量は、それぞれ同2.3%増および同4.1%増となった。

バターの卸売価格は引き続き高値

米国農務省農業マーケティング局(USDA/AMS)によると、2017年6月のチーズ(注)の卸売価格は、在庫水準は高いものの、国内外からの需要の増加により、前年同月比10.3%高の1ポンド当たり193.6米セント(1キログラム当たり474円:1米ドル=111円)となった。

また、バターの卸売価格は、堅調な需要などにより、2015年12月以降で最高となる同13.5%高の同256.9米セント(同629円)となった(図15)。

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今後の価格についてUSDAは、バターは前年を上回って推移するものの、チーズは高い在庫水準により下落すると見込んでいる。

(注) 40ポンドブロックのチェダーチーズ、ウィスコンシン地区のFOB価格。

(調査情報部 渡邊 陽介)


				

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