需給動向 国内

◆牛 肉◆

牛肉生産量、全畜種で前年同月を上回る


平成30年1月の牛肉需給を見ると、生産量は2万5080トン(前年同月比2.9%増)と4カ月連続で前年同月を上回った。品種別では、和牛が1万436トン(同2.6%増)と前年同月をわずかに、交雑種が6782トン(同7.0%増)とかなりの程度上回った。また、乳用種も7608トン(同0.5%増)といずれも前年同月を上回った。

輸入量は、冷凍品は1万7070トン(同1.0%減)とわずかに減少したものの、冷蔵品が1万8535トン(同6.2%増)と15カ月連続で前年同月を上回ったことから、全体では3万5648トン(同2.7%増)となった。国別に見ると、輸入量の半数を占める豪州産は1万9083トン(同6.5%増)とかなりの程度増加し、次いで輸入量の多い米国産は1万4450トン(同3.1%増)とともに増加した。

推定出回り量は、前年同月をやや上回る6万4988トン(同5.3%増)となり、推定期末在庫は前月から4471トン取り崩したものの、輸入量の増加により10万6781トン(同1.5%増)と前年同月をわずかに上回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

枝肉卸売価格、和牛は弱含み傾向で推移

年末需要などで一時値を戻した和牛の卸売価格は、年明け以降、年末需要が一服したこともあり弱含みの展開となった。平成30年1月の和牛去勢の牛枝肉卸売価格(東京市場)を見ると、A−5は1キログラム当たり2742円(前年同月比4.5%安)と前年同月をやや下回り、A−4が同2373円(同7.7%安)、A−3が同2090円(同11.6%安)、A−2が同1805円(同14.8%安)といずれも前年同月を下回った(図1)。一方、出荷頭数不足が続く乳去勢(B−2)の価格は、学校給食向け需要や「国産牛」としての量販での扱いなどで一定の引き合いがあることから、同989円と前年同月と同水準となった。

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和牛子牛価格、3カ月ぶりに下落

肉用子牛取引価格(全国・雌雄平均)の推移を見ると、黒毛和種については、繁殖雌牛の飼養頭数が2年連続で増加していることから、29年4月〜翌年1月までの累計取引頭数は前年同期並みとなり、価格は前年同期比5.3%安となった。30年1月も取引頭数の増加(前年同月比1.8%増)などから、同8.3%安と下落した(図2)。

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一方、市場取引よりも相対取引が多いとされる乳用種については、酪農家の高齢化による離農や乳牛への黒毛和種交配率が高かったことから、29年4月〜翌年1月までの累計取引頭数は前年同期比8.1%減となり、価格は同9.9%高となった。また、30年1月の価格は、前年同月比23.7%高と大幅に上昇している。

(畜産需給部 山神 尭基)


				

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