需給動向 国内

◆鶏 肉◆

好調な鶏肉加工品需要


平成30年1月の鶏肉需給を見ると、生産量は13万729トン(前年同月比3.7%増)と前年同月をやや上回った。輸入量は、在庫調整などから輸入量が減少した前年同月の反動から4万8297トン(同52.2%増)と前年同月を大幅に上回った。推定出回り量は16万7702トン(同0.6%増)となり、推定期末在庫は前月から1万1324トンを積み増し、17万8892トン(同30.4%増)と高い水準となった(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

鶏肉調製品輸入量は過去最高を記録

鶏肉調製品の輸入量を見ると、コンビニエンスストア向けのホットスナック(フライドチキン、唐揚げ、焼き鳥など)や、弁当・総菜など鶏肉調製品を用いた商品が増えており、近年増加している。特に29年は好調なサラダチキン市場の拡大を背景に48万6838トン(前年比15.4%増)と前年をかなり大きく上回り、過去最高を記録した(図5)。

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鶏肉の加工品仕向肉量、3年連続で増加

平成29年の鶏肉の加工品仕向肉量は、好調な需要を受け、前年をやや上回る5万2859トン(前年比4.0%増)と2年連続で5万トンを超えた(図6)。

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また、ハム類の品目別生産数量を見ると、29年はサラダチキン市場の急成長などにより、サラダチキンを含む「その他のハム」は1万1542トン(同88.8%増)と大幅に増加した(図7)。

加工品需要で支えられるむね肉相場

近年の国産むね肉卸売価格(東京)を見ると、消費者の健康志向の高まりによる好調な需要を反映し、平成25年以降、ほとんどの月で1キログラム当たり250円を上回る水準で推移している(図8)。

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29年は、国産むね肉と競合する輸入品在庫が下半期に前年をさらに上回る過去最高水準となったものの、サラダチキン市場の急成長で加工品需要が高かったことから、相場は大きく下落することなく、同320円(前年比20.8%高)と前年を大幅に上回った。

(畜産需給部 河村 侑紀)


				

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