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欧州委員会、過去最大量となる脱脂粉乳を放出
欧州委員会によると、2017年12月の生乳出荷量(EU28カ国)は、前年同月比4.1%増の1260万トンと10カ月連続の増産となった(図21)。また、12月の出荷量としては過去最大となった。
EU最大の出荷量を誇るドイツ(同5.0%増)と第2位のフランス(同3.3%増)などの主要国は、オランダを除き軒並み前年同月を上回った(表12)。なお、2017年の累計では、EU全体で前年比2.0%増となっている。
欧州委員会によると、2018年1月の平均生乳取引価格(EU28カ国)は、15カ月連続で前年を上回り、前年同月比10.5%高の100キログラム当たり36.94ユーロ(1キログラム当たり49.13円:1ユーロ=133円)となった(図22)。同価格は、生乳出荷量が増産傾向にある中、6月から11月まで一貫して前月を上回って推移していたが、12月、1月と2カ月連続で前月を下回った。
欧州委員会が公表している主要乳製品価格を見ると、脱脂粉乳の平均卸売価格(EU28カ国)は、2018年2月19日の週では、100キログラム当たり136.9ユーロ(1万8208円)と過去最安値を更新し、公的在庫が膨らむ中、昨年9月11日の週以降、公的買入価格(同169.8ユーロ(2万2583円))を下回る水準が続いている(図23)。高騰していたバター価格も、同462.6ユーロ(6万1526円)とピーク時の昨年9月から約3割の下落となっており、これまで上昇基調にあった生乳価格の押し下げ要因となっている。
欧州委員会は、2月20日に実施した脱脂粉乳公的在庫の売渡入札の結果、4337トンが落札され、最低落札価格は100キログラム当たり110ユーロ(1万4630円)となったと公表した(表13)。
今回の最低落札価格は、これまでの入札で最低だった前回(同119ユーロ(1万5827円))を7.6%下回り、前述の公的買入価格を35.2%下回った。
今回の入札では、過去17回のうち最大となる落札があったものの、依然として膨大な脱脂粉乳の公的在庫を抱えていることから、今後の売渡入札の動向が引き続き注目される。
(調査情報部 玉井 明雄)