需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

北海道の生乳生産量、5カ月連続で増加


平成30年1月の生乳生産量は、62万1294トン(前年同月比0.5%増)と前年同月をわずかに上回った(図9)。内訳を見ると、都府県が28万6642トン(同2.4%減)と23カ月連続で前年同月を下回ったものの、北海道が33万4652トン(同3.2%増)と5カ月連続で前年同月を上回った。

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全国の生乳生産量の過半を占める北海道は、岩見沢地区を除き前年同月を上回り、主産地では帯広地区が同4.2%増、中標津地区が同2.8%増となった。

一方、都府県では、日本列島を襲った寒波の影響などを受け中国地方を除き前年同月を下回った。特に都府県の生産量の約3割を占める関東は、7カ月連続で前年同月を下回った。

用途別生乳処理量を仕向け先別に見ると、牛乳等向けは32万4279トン(同1.2%増)と前年同月を上回った。一方、乳製品向けは牛乳等向けが伸びたことから、29万3015トン(同0.2%減)と前年同月並みとなった。乳製品向けのうち、脱脂粉乳・バター等向けはチーズ向けが減少したことから、前年同月比3.5%増となった(農林水産省「牛乳乳製品統計」)。

30年度の牛乳生産量は引き続き増加見込み

平成29年度の累計の全国・全世帯(2人以上の世帯)の平均牛乳・乳製品購入量のうち、牛乳は、前年比0.1%増となり、3年ぶりに高い伸びを記録した前年と同水準となった。(総務省「家計調査報告」)。こうした背景には、29年の年初に牛乳が健康に良い効果をもたらすと報道されたことなどの影響がある。また、業務用についてもコンビニ各社によるカウンターコーヒーの投入などが牛乳需要を牽引する要因の1つとみられる。さらに乳業メーカーが新たに投入したボトルキャップ付き牛乳や産地パック牛乳なども一定程度、寄与している。

こうした堅調な需要を受け、牛乳生産量は、29年9月以降、前年を上回る水準で推移し、29年4月〜翌年1月までの累計では前年同期比1.3%増となった。30年1月も前年同月比1.6%増と3カ月連続で増加しており、一般社団法人Jミルクは平成30年1月26日に公表した「平成30年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと当面の課題について」で、牛乳生産量は、現在の需要が継続し、前年度比0.5%増と予測している。

はっ酵乳生産量、4カ月ぶりに増加

平成30年1月の乳業メーカーのはっ酵乳生産量は、前年同月比0.7%増と4カ月ぶりに増加となった。はっ酵乳の生産量は、前年の伸びから落ち着きをみせているものの、インフルエンザなどが流行する冬季から春先にかけて増加する傾向にある。また、非乳業メーカーなどのはっ酵乳生産量も増加しており、29年は前年比6.6%増となった(図10)。非乳業メーカーは、主に乳業メーカーが得意とするプロバイオティクス効果のあるはっ酵乳とは一線を画し、女性や子供をターゲットとした多様な風味の商品を投入していることが好調の背景にあるものとみられる。Jミルクは、30年度のはっ酵乳生産量は、今後も底堅い需要があるとみており、前年度比1.6%増と予測している。

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(畜産需給部 山神尭基)


				

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