需給動向 国内

◆豚 肉◆

豚肉輸入量、15カ月ぶりに前年同月を下回る



平成30年1月の豚肉需給を見ると、生産量は7万7568トン(前年同月比0.4%増)と前年同月をわずかに上回った。輸入量は、主にテーブルミートとして消費される冷蔵品が3万2178トン(同6.5%増)と前年同月をかなりの程度上回ったものの、主に加工・業務用として使用されることが多い冷凍品が4万2067トン(同7.6%減)と前年同月をかなりの程度下回ったことから、合計では7万4247トン(同1.9%減)と15カ月ぶりに前年同月を下回った。推定出回り量は、前年同月をやや上回る14万5846トン(同4.5%増)となり、推定期末在庫は前月から5932トン積み増して、17万6758トン(同0.6%増)と前年同月をわずかに上回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

推定期末在庫、15カ月連続で前年同月を上回る

平成30年1月の推定期末在庫は、17万6758トン(前年同月比0.6%増)と15カ月連続で前年同月を上回った。このうち、国産品は1万6549トン(同4.3%減)と前年同月をやや下回った一方で、輸入品は16万209トン(同1.2%増)と前年同月をわずかに上回った(図3)。

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国産品は、今年度に入ってから国内生産量が前年度を下回っていることもあり、卸売価格が高水準で推移したため、冷凍して在庫にする動きも少なく、29年12月を除き前年同月を下回って推移している。

一方、輸入品は、冷蔵品輸入量が過去最高を更新し、冷凍品輸入量も前年度を上回っているなど供給量が多く、冷蔵品を冷凍して在庫にする動きも見られたことから、今年度は前年同月を上回って推移している。

スペイン、メキシコからの冷凍品輸入量が増加

冷凍品輸入量のうち、6割を占めるEUからの輸入は主にデンマークが中心となっていた。しかし、近年、スペインがカット技術の向上などにより、日本の求めるスペックの製品を提供できるようになったことから、輸入量が増加し、平成29年は10万7444トン(前年比21.0%増)となった(図4)。

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また、メキシコからの輸入量も日本国内での人手不足を背景に現地で一次加工まで行い輸入する動きも増えてきており、同年は7万5052トン(同19.0%増)となった。

このような中で、輸入量が増加傾向で推移すると在庫水準が高くなると懸念する声も聞かれることから、今後を注視していく必要がある。

(畜産需給部 小林 智也)


				

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