需給動向 国内

◆鶏 肉◆

ブロイラー生産の集約化進む


平成30年5月の鶏肉需給を見ると、生産量は13万7352トン(前年同月比3.7%増)と前年同月をやや上回り、輸入量は好調なタイ産のけん引などにより、4万7141トン(同2.2%増)と前年同月をわずかに上回った。推定出回り量は18万2165トン(同5.9%増)と前年同月をやや上回ったものの、生産や輸入の増加が続いているため、推定期末在庫は17万3042トン(同21.5%増)と8カ月連続で前年同月を上回った(財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

ブロイラー飼養羽数は増加、飼養戸数は減少

平成30年7月3日に農林水産省が公表した「畜産統計」によると、同年2月1日現在のブロイラーの飼養戸数(注1)は、廃業などにより、前年から50戸減少して2260戸(前年比2.2%減)、飼養羽数は1億3877万6000羽(同2.9%増)、1戸当たり飼養羽数は前年と比べ3000羽増加し6万1400羽(同5.1%増)となった(図3)。

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また、出荷戸数(注2)(出荷羽数年間3000羽未満の飼養者を除く)は前年から50戸減少し2270戸(同2.2%減)となった一方で、出荷羽数は6億8928万羽(同1.7%増)、1戸当たり出荷羽数は前年から1万1500羽増加し30万3600羽(同3.9%増)といずれも前年を上回った。

全国の飼養羽数および1戸当たりの飼養羽数・出荷羽数は、いずれも増加傾向で推移しており、品種改良による増体能力の向上に加え大企業によるインテグレーション(川上から川下までの部門を統合した大規模生産・流通システム)の進展などにより、生産の集約化が強まっている。

注1:飼養戸数は、2月1日現在、ふ化後3カ月未満で出荷予定の鶏を飼養している飼養者の戸数をいう。

 2:出荷戸数は、前年の2月2日から本年2月1日までの1年間に出荷した飼養者の戸数をいう。

出荷羽数30万羽以上が、戸数・羽数ともに増加

出荷戸数および出荷羽数をブロイラー出荷羽数規模別に見ると、いずれも出荷羽数30万羽以上の階層では前年を上回ったものの、同20万羽に満たない階層ではいずれも前年を下回る結果となった(表5)。出荷羽数規模別の出荷羽数割合は、30万羽以上の階層が6割を超えている。

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地域別に見ると、出荷戸数は、東海のみ増加し、北海道、中国、沖縄で前年並み、その他の地域では減少した。一方、出荷羽数は、近畿、四国を除く全ての地域で増加した。出荷羽数割合は、鹿児島県や宮崎県をはじめとした主要産地のある九州が全国の約5割(48.0%)を占めており、次いで、東北(24.8%)、中国(6.3%)となっている(表6)。

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(畜産需給部 岩井 椿)


				

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