需給動向 海外

◆タイ◆

引き続き輸出量と生産量は増加


不利な為替にもかかわらず輸出は好調

2018年1〜4月の鶏肉調製品、冷凍鶏肉、冷凍加塩鶏肉の輸出量はいずれも増加した(表8)。

032b

鶏肉調製品は、前年同期比で5.8%増の17.1万トンであった。冷凍鶏肉は、同29.5%増の8.4万トンとなり、いずれも引き続き、日本向けが好調である。

冷凍加塩鶏肉は、同50.6%増の3.1万トンと大幅に増加した。なお、この品目は、関税割当(注1)により低関税で輸出できるEU向けが99%以上を占める。

また、本年3月、中国はタイ産鶏肉の輸入を解禁した(注2)。3月には150トンがタイから中国に輸出されたが、すべてモミジ(鶏足)であった。

注1:枠内税率は15.4%で、割当数量は年間9万2610トン。枠外税率は1キログラム当たり1.3ユーロ(168円、1ユーロ=129円)である。

 2:2004年のタイでの鳥インフルエンザ発生により中国はタイからの輸入を禁止していた。

タイバーツの為替相場は、2016年11月以降、円に対してバーツが上昇傾向で推移しているが、日本向けの鶏肉および鶏肉調製品は、ひきつづき順調に輸出されている(図11)。

033a

生産量は17カ月連続で増加

2018年1〜5月の生産量は、前年同期比1.8%増の81.6万トンだった。月別にみると、17カ月連続で前年同月を上回っている(図12)。

033b

トウモロコシ価格は高水準

2017年の11月頃から、飼料用トウモロコシの卸売価格は上昇傾向で推移していたが、本年4月からはおおむね横ばいとなっている(図13)。

033c

現地専門家によると、飼料用輸入小麦に課されていた国産トウモロコシの購入義務(注3)について、6月15日から8月15日の間は購入義務数量が減少することに加え、8月からトウモロコシの収穫がはじまるため、これ以上価格は上昇しないとみられている。

注3:米国農務省によると、タイでは安価な代替品から国内のトウモロコシ農家を保護することを目的として、2017年1月から、飼料用小麦の輸入量の3倍の国産トウモロコシを政府が指定する価格で購入しなければならない。ただし、2018年6月15日から8月15日の間は、飼料用小麦輸入量の2倍とされている。

(調査情報部 三原 亙)


				

元のページに戻る