需給動向 海外

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豚価は前年水準を大幅に下回って低迷


豚枝肉生産量は前年と同水準

欧州委員会によると、2018年3月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月と同水準の207万1240トン(前年同月比0.2%減)となった(図4)。と畜頭数は、前年同月をわずかに下回る2240万頭(同0.5%減)、一頭当たり枝肉重量は、92.5キログラム(同0.3%増)であった。なお、同年1〜3月の豚枝肉生産量の合計は、61万8505トン(前年同期比4.1%増)となっている。

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3月の主要生産国の豚枝肉生産量を見ると、ポーランドおよびオランダでは増産となり、ドイツ、スペイン、フランス、デンマーク、イタリアでは減産となった(表4)。

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豚価は需要の伸び悩みにより低迷

欧州委員会によると、2018年5月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前年同月比18.9%安の100キログラム当たり141.19ユーロ(1万8214円:1ユーロ=129円)となり、9カ月連続で前年の水準を下回って推移している。

特に、3月以降は例年上昇するが、今年は3月中旬以降下落し、5月7日の週には、同139.71ユーロ(1万8023円)まで下落した。価格の下落は、豚肉生産量が前年の水準を上回る中、需要の不振、特に輸出向けが伸びていないことが主な要因とみられている。

しかしながら、同価格は、5月14日の週に前週比0.7%高の同140.68ユーロ(1万8148円)、翌週には同1.7%高の同143.13ユーロ(1万8464円)と上昇に転じ、6月の1〜3週は同145ユーロ台で推移している。豚肉需要は、夏の休暇シーズンに伸びると見込まれることから、今後の価格動向が注目される(図5)。

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1〜4月の豚肉輸出量は前年同期を下回る

2018年1〜4月の豚肉(生鮮・冷蔵、冷凍)輸出量(EU28カ国)の合計は、前年同期比0.5%減となった(表5)。主な輸出先国の動向をみると、中国向け(前年同期比9.1%減)と香港向け(同40.3%減)が減少し、日本向け(同9.5%増)、韓国向け(同24.8%増)、米国向け(同32.3%増)は増加した。

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(調査情報部 前田 絵梨)


				

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