需給動向 国内 |
豚の1戸当たり飼養頭数、大規模化進み増加 |
平成30年5月の豚肉需給を見ると、生産量は7万6152トン(前年同月比2.1%増)と前年同月を上回った。また、輸入量は8万227トン(同5.2%増)と2カ月連続で8万トン台となった。輸入量のうち、テーブルミートとして消費されることの多い冷蔵品は3万3703トン(同19.9%増)と前年同月を大幅に上回り、主に加工業務用として使用される冷凍品は4万6521トン(同3.4%減)と前年同月をやや下回った。推定出回り量は前年同月をかなりの程度上回る15万4016トン(同7.9%増)となり、推定期末在庫は前月から2320トン積み増したものの、18万286トン(同1.1%減)と前年同月をわずかに下回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。
平成30年7月3日に農林水産省が公表した「畜産統計」によると、同年2月1日現在の豚の飼養戸数は、前年から200戸減少して4470戸(前年比4.3%減)となり、依然として減少が続いている。また、飼養戸数の減少に伴い、飼養頭数も918万9000頭(同1.7%減)と前年からわずかに減少した(図2)。このうち、約1割弱を占める子取り用めす豚の飼養頭数は82万3700頭(同1.9%減)となった。
また、肥育豚の飼養戸数および飼養頭数を規模別に見ると、いずれも2000頭未満の階層は全ての階層で減少したが、2000頭以上の階層は増加した(表3)。2000頭以上の階層の全国割合は、飼養戸数では25.2%(同2.0ポイント増)、飼養頭数では74.5%(同2.6ポイント増)と大規模生産者の割合が伸びており、豚の1戸当たり飼養頭数は前年から54.4頭増加し、統計開始以来最高となる2055.7頭となった。また、子取り用めす豚の1戸当たり飼養頭数は同5.4頭増加して226.3頭となった。飼養戸数は減少傾向となっているものの、大規模化が進み、飼養頭数はわずかな減少に留まっている。
豚の飼養戸数および飼養頭数を全国農業地域別に見ると、飼養戸数は全ての地域で前年から減少した(表4)。一方、飼養頭数は、中国および沖縄が増加、東海が前年並みとなり、その他の地域ではいずれも減少した。なお、主要産地である九州および関東・東山については、全国割合はそれぞれ31.2%(前年比0.3ポイント減)、26.4%(同0.4ポイント減)といずれも低下したものの、両地域で全国の約6割を占めており、この傾向に変化はなかった。
飼養頭数を都道府県別に見ると、上位5道県の鹿児島県、宮崎県、北海道、千葉県および群馬県については、前年から北海道と千葉県の順位が入れ替わった以外に変化はなかったものの、いずれも減少している。
(畜産需給部 河村 侑紀)